〔ヒマラヤのナラ山とナーラーヤナ山の山間にある、聖地バドリーナートの中心、バドリーナータ寺院には、古代よりバドリー ナーラーヤナ神が祀られていました。しかし、その御神体はいつしか人々から忘れられ、川に沈んでいるのを聖者シャンカラが瞑想で知り、元の場所に祀りました。それから千年以上の時を経て、その聖地の神聖さは再び失われていきました。1961年6月、ババは自ら選んだ帰依者たちと共にヒマラヤの聖地を訪問なさり、バドリーナートで四本の手のある美しいナーラーヤナ神の像と金でできた蓮の花を物質化し、さらに、神秘的なリンガムを出現させました。それから、ガンジス河の聖水の入った銀の器を物質化し、その水でナーラーヤナ神の像にアビシェーカ(灌頂)の儀式を執り行い、帰依者たちにルッドラム、ナーラーヤナスークタム、プルシャスークタムなどのヴェーダのマントラを唱えるよう指示なさいました。その後、ババは一行にその日の正午に祖先供養をするようにとおっしゃいました。一行の中には、体が不自由なために儀式どおりに祖霊にお供えをすることができない者たちがいました。ババはその人たちを連れて川に行き、激流からコップ一杯の水を汲んでめいめいにお与えになりました。するとその水に大きな灰の立方体ができ、その一つの面にオームの文字が浮き出しました。さらに、ババがコップの横を叩くと、コップの水面にたくさんの胡麻の粒が現れて浮かびました。胡麻は死者に関するあらゆる儀式に必要なものとされています。ババはその水を体の不自由な人たちの手のひらに注ぎ、感謝と尊敬をもって死者を思い起こしつつ死者に供えるようにとおっしゃいました。その晩、ババは巡礼者と地域の住人ら約3000人に向けて御講話をなさり、バドリーナートのリンガムの神秘を明かしてくださいました。〕