サイババの御言葉

日付:1969年10月12日・場所:プラシャーンティ ニラヤム
シュリ サティヤ サイ病院創立記念日(12周年)の御講話より

航海に適したボート


多くの人にとって、このアーナンダ ニラヤム(至福の住居)の中にアーローギャニラヤム(病人の住居)つまり病院があるというのは、奇妙に見えるかもしれません。人々は、なぜアートマ〔真我/内在の神〕の健康に専念している場所で体の健康が重視されているのか、疑問に思うかもしれません。しかし、人間の一生の4つの目的である、ダルマ(正義/本分を果たすこと)、アルタ(繁栄/富を得ること)、カーマ(願望を実現すること)、モークシャ(輪廻から解脱すること)を達成するためには、体と心の健康は基本的な必要条件なのです。

病気とは、気分やバランスや平常心が乱れたために、不安になったり心配したりして、それが体と心の状態に影響を及ぼしていることを意味します。これは2つの理由で起こります。それは、誤ったアーハーラ(食事のとり方)と誤ったヴィハーラ(行動)です。

病気になってから、あるいは、どうにも手に負えなくなってから医薬品を求めるよりも、事前に病気を予防するほうが賢明です。しかし、人は予防策を講じていません。人は物事を悪くなるままにしておき、恐れや確信のなさや不安によって、病気はさらに悪化していきます。

昔の人が信じていた格言があります。それは「1日1食はヨーギ〔行者〕、1日2食はボーギ〔享楽者〕、1日3食はローギ〔病人〕」というものです。ヨーギは心が神中心の満たされた人です。ボーギは五感の喜びを楽しむ人です。ローギは病気にかかった人です。そのとおりです。裕福な人の食物摂取量は、今必要とされる量をはるかに超えています。過食が流行になっています。

ブレックファスト(朝食 breakfast 文字どおりに読むとブレイクファスト)は、ファスト(断食 fast)をブレイクする(終わらせる break)には役立っていません。なぜなら、断食などまったく行われていなかったからです! 朝食は、昼や夜の食事と同じくらいの量と品数になっています。昼食は、空腹を癒すというよりは、味覚のために選んだ多くの料理を押し込むものになっています。お茶というのは名ばかりで、お茶には、体に必要なその日の総量を超えるほどの重い料理が添えられています。夕食は一番多くの品数が出され、最も重く、お腹にこたえます。そのため、人は不要なものを詰め込んで重くなった体で床に就き、右に左に寝返りを打って、数分の睡眠を得るためにあえない努力をするのです。

食用の穀物が不足しているのは、無駄の多い悪い食習慣が主な原因です。食習慣を正すことは可能であり、お腹いっぱいに詰め込むのではなく、最小限に食べるようにすれば、人はもっと長く、もっと健康に生きることができます。

祈りの習慣は力と勇気を与える

1日2回の祈りの習慣は、病気に耐えることのできる力と勇気を与えます。神の恩寵は心の平安を授け、そのため、安眠と心の休息がもたらされます。自分は100%神しだいだと思いなさい。そうすれば、神はあなたの面倒を見て、あなたを危害や怪我から守ります。ベッドに入る時には、一日中あなたを導き、守ってくれた神に感謝の気持ちを捧げなさい。友人があなたに煙草を差し出したり、誰かが水を一杯くれたら、あなたはすぐに「ありがとう」と言います。であれば、あなたを見守り、あなたを打ちのめしかねないあらゆる害を払いのける神に、どれほど多くの感謝を示すべきでしょうか。行いは、神に、最高善に、捧げなければなりません。そうすれば、その行いが、心と体の健康をもたらしてくれるでしょう。

体は馬車であり、その中には神が祀られていて、行列で運ばれていきます。その道中で故障しないよう、絶えず注意を払うべきいくつかの点を考えてみましょう。週に一度、断食をしなさい。これは体に良いだけでなく、国にとっても良いことです。バナナを12本、プーリー(インドの揚げクレープ)を6枚平らげて、牛乳を1リットル飲みながら、私は断食をしていますなどと言わないように! 水だけを飲みなさい。そうすれば、汚いものはすべて洗い流されます。果物のジュースや他の飲み物を欲しがってはいけません。機械でさえ休みが与えられます。永遠に連続して動き続けることはできません。であれば、繊細にできている人間の体については言うまでもありません! 体の好きなようにさせて体を過信するのは、文化の印ではありません。それは野蛮の印です。

鳥や獣は人間より良い食習慣を持っている

この国の古い世代は、朝の最初の食事に、カード〔凝乳/ヨーグルト〕に浸したご飯をいくらか食べていました。これは浄性の食べ物(サットウィック フード)です。あるいは、ラーギ〔四国稗(しこくびえ)〕の薄粥をすすっていました。これも同じように良いものです。今は家畜のほうがましです。犬は人間より良い食習慣を持っています。犬は熱があると食べ物を拒否します。一方、人間は医者の警告さえ無視して、ずる賢く食べます! 鳥や獣は食の制限だけで自分の健康を守ります! 一方、人間は、飲食に関しては、禁じられた範囲に踏み出したあげく、錠剤や丸剤や注射で生きています。沸騰させてから冷ました水を、食事中ではなく、食事の前か後に、たくさん飲みなさい。健康な人だけが、体を忘れて自分の思考を神に捧げ、そこから至福(アーナンダ)を引き出すことができます。

心〔マインド/マナス〕は11番目の器官であり、人は、他の10の器官〔5つの感覚器官である目・耳・口・舌・皮膚と、5つの行動器官である発声器官(口)・行為器官(手)・移動器官(足)・生殖器官・排泄器官〕と同じく、心を知性〔ブッディ〕の手の中にある従順な道具という低い身分にさせなければなりません。

良く練ったタイムスケジュールに従って、いつも決まった間隔をあけて食事をしなさい。体を動かし、一日を活動で埋めなさい。そうすれば、食べ物はよく消化されます。食卓に着く前に、お腹をぺこぺこにしておきなさい。今、多くの人は空腹感や喉の渇きを知りません。お腹が鳴るのを待ってから、胃に食べ物を詰め込みなさい。お金持ちは、この点に関して大きなハンデを負っています。これは、甘やかされたあげく、肉体労働は女の威厳を損なうと思っている女性たちにも言えることです!

満足は最高の強壮剤

病気は、怠惰と好き勝手にしたことの当然の結果です。健康は、タフでハードな生活の当然の結果です。もしすべての人が、使用人やヘルパーに頼らずに、自分のことは自分ですると心に決めるなら、健康状態は確実に改善し、病院の仕事ははるかに少なくなります。心を神と善良な思考に定めておくことも、健康の助けとなります。目、耳、舌、手、足に歯止めをかけなさい。元気をなくさせるようなものや、刺激的なものを読んではいけません。心をひどく疲れさせたり煽ったりする映画に行ってはなりません。

自分自身への信頼を失ってはなりません。あなたは体の中に入れられた神です。満足は最高の強壮剤です。なぜ自分に貪欲という病気を負わせ、力を得るために、そして、さらに欲望を募らせるために、強壮剤をのむのですか? 体を人生という海を渡るボートとして使い、信愛と無執着という2本のオールで漕いでいきなさい。

体のことをあれこれ考えて、多くの時間を使ってはいけません。人々の中には、年中健康のことを心配している人がいます。そのような人は、自分がしている体への気づかいに決して満足することがありません。日の当たる所にいなさい。太陽の光を家に入れなさい。しばらくの間、太陽の光を浴びなさい。衣類や食物を日光で温めたり、日に当てたりしなさい。これはその人を健康でみなぎるようにさせるでしょう。

ここに病院があるのを見て戸惑う人もいます。そのような人たちは、ここでは何でも奇跡や奇妙で不可思議な方法で行われるべきだ、とでも言いたいのでしょう! ここに来た人は誰も病気になったり死んだりすべきではない、とも言いたいのでしょう。私には、あなた方は生きているべきだという望みも、あなた方は死ぬかもしれないという恐れもありません。あなたの状態を決めるのはあなたです。誰も皆、遅かれ早かれ死ななければなりません。何年も同じ服を着ていたいと思う人はいないでしょう。死は古い服を脱ぎ捨てることにすぎません。アヴァター〔神の化身〕でさえ務めを果たしたら体を離れるというのに、どうして人間が当然のことである崩壊から逃れることができるでしょう?

病院は医者と薬を信じている人のためのものです。重要なのは信心であり、それが治すのです。また、病院は、動くことができないほど体が悪く、それでも治療のためにここにやって来る人を収容するのにも役立ちます。さらに、この病院にいる人たちは、プラナヴァ〔原初の聖音オーム〕や、サンキールタン〔集団で神への賛歌を歌うこと〕や、バジャン〔神への賛歌〕を耳にして、このプラシャーンティ ニラヤム〔至高の平安の住居〕の空気を満たしているその霊的なヴァイブレーションによる恩恵を受けるでしょう。

翻訳:サティヤ・サイ出版協会
出典:

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