サイババの御言葉:サイの理想のお手本になりなさい

日付:1983年年12月30日
場所:プラシャーンティ ニラヤムのプールナチャンドラ講堂
バールヴィカス世界大会の御講話より

サイの理想のお手本になりなさい


〔1983年12月27日から31日までの5日間、プラシャーンティ ニラヤムでバールヴィカス教師と生徒の世界大会が開催されました。大会では、バールヴィカスの生徒の絵画と工作の国際展示会や、世界中から参加した7000人の子どもたちによるパレードなども行われました。最終日には、バールヴィカスの生徒たちと、バールヴィカスを修了して大人のセヴァダルとして奉仕を始めるまでの準備段階の年齢にあるプレ セヴァダルと呼ばれる学生たちに、ババ様からパーダナマスカール(ババの御足への礼拝)が授けられ、子どもたちと教師全員に着る物が配られました。この御講話は最終日の前日の朝に行われました。〕

永遠なるものの子どもである皆さん!

皆さんは肉の塊ではありません。皆さんは永遠なるものの具現です。皆さんは至福の宝庫です。皆さんのハートは神の神殿です。自然界のすべては皆さんの遊び場であり、自然界にあるものはすべて皆さんの遊び道具です。自分は宇宙の奴隷ではなく主人であると考えなさい。自分の欲望に縛られている限り、皆さんは物質界の支配から逃れられません。あらゆる優れた能力を持っていたラーヴァナ〔『ラーマーヤナ』に出てくる悪鬼の王〕でさえ、災難から自分の身を救うことはできませんでした。なぜなら、ラーヴァナは情欲の奴隷となっていたからです。ひとたび神に全託すれば、自然界はあなたの奴隷となります。

今日の少年少女は、以上の基本的な真理をよく理解すべきです。少年少女は未来の人類の代表者です。少年少女は国の文化の守り手です。国の卓越と繁栄は少年少女にかかっています。国の未来は、幼い子どもたちの生活がどのように方向づけられるかによって決まります。今、世界は無秩序と暴力と邪悪に陥っています。これら悪魔的な力が完敗するよう留意することは、幼い者たちのためです。

どんな目的を果たすにも二つのものが必要です。それは個人の努力(クリシ)と神の恩寵(クリパー)です。この二つは磁石の陰極と陽極のようなものです。個人の努力がなく、神の恩寵だけあっても、目的は果たされません。神の恩寵はいつもその場にあります。神の恩寵を求めて遠くに行く必要はありません。神の恩寵を確保するための努力は霊性修行(サーダナ)と呼ばれています。

子どもは自分の過ちを認めることを身に付けるべき

人は誰もが四つの重要な性質を身に付けるべきです。それは、平安(シャーンティ)、真実(サティヤ)、エゴがないこと(ニラーアハンカーラ)〔神ではなく自分がやっているという自我意識がないこと〕、嫉妬心がないこと〔アナスーヤ〕です。この四つは必須です。この四つで満たされているものは愛(プレーマ)です。これらの性質は、勉強して身に付けたり、先生から教わったり、誰かからもらったりすることはできません。自分の努力でしか得ることはできません。これらの気高い性質は子どものころから伸ばすようにしなければいけません。そうして初めて、それらは後々大いに役に立つことになるのです。

一番の性質は「真実」です。ウパニシャッドは、

サティヤメーヴァ ジャヤテー
〔真実のみが勝利する〕

と述べています。真実とは何ですか? 真実とは思考と言葉と行為で本当のことを貫くことです。しばしばさまざまな困った状況が起きて、それを難しくさせることがあります。たとえば、子どもは両親や先生からお仕置きされたり叱られたりするのが恐くて、言葉を濁したり嘘をついたりして、本当のことを認めようとしないことがあります。こうした癖がつくと、やがてその子は表裏のある生活を送るようになり、一生を駄目にするという結果を招きます。ですから、子どもの将来を考えるなら、少年期のうちから自分の過ちを認めて真実を話すことを身に付けさせるべきです。もし子どもが悪いことをして親や教師から罰を受けたとしても、それは何も間違ったことではありません。そうした矯正措置を通じて、子どもはのちに正しく振る舞うことを覚えるのです。もし子どものころから真実を話すことを身に付けるなら、それは容易なことでしょう。

一方、一度嘘をつくことを覚えてしまったら、真実の道に戻るのはとても難しくなります。ですから、皆さんがまだ幼く、心(マインド)とハートが清らかで汚れが付いていないうちに、真実を通す習慣を身に付けておかなければいけません。いつも本当のことを話すことで、あなたの心は善い思考で満たされるようになります。

どんな困難に直面しても、どんな問題が起こっても、どんな試練があなたの行く手をふさいでも、真実を手放すべきではありません。これはハリシュチャンドラ王の物語から学ぶべき教訓です。ハリシュチャンドラは、真実を貫くためにすべてを犠牲にする覚悟をし、それによって不滅の名声を勝ち得ました。物質的な豊かさや権威ある地位は、来ては去るものです。一方、真実と正直であることによって得た評判は、ずっと存続するでしょう。もし自分のハートに真実と正義を据えるなら、皆さんの人生はきわめて意義深い、価値あるものとなるでしょう。

妬みのない心を育みなさい

真実の次は「堪忍寛容」を育まなければなりません。堪忍寛容は、軌道を逸脱した運命という石や矢が飛んできてもそれに立ち向かう強さを授けてくれます。堪忍寛容に欠ける人は逆境や困難に簡単に負けてしまいます。

真実と堪忍寛容といっしょに、「妬みのない心」も育まなければいけません。妬みは木の根っこを襲う害虫のようなものです。妬みは人の一生を破壊します。私たちは一生のうちに、知識、富、地位、力といったような様々なものを楽しみます。けれども、もし妬みというウイルスが心の中に侵入してくると、すべてが汚染されてしまいます。ほんの小さなことに関しても、妬みの入り込む隙を作ってはなりません。もし同級生があなたより高い点数を取っても、妬んではいけません。もし他の人があなたよりよくできたら、嫉妬にかられることなく、喜ぶべきです。もし誰かがあなたよりもいい服を着ていたら、あるいは、あなたよりも裕福だったら、その人は自分の持っているものを楽しんでいるのだと思い、あなたも自分の持っているものに満足して幸せでいるようにしなさい。嫉妬心がないことは神の性質です。それはあなたを他の人の幸せや成功を喜ぶようにさせます。

困っている人のために犠牲を払うことを身に付けなさい

さて、次は「規律」です。規律を欠いていれば、あなたの人生は落とし穴に悩まされるでしょう。サティヤ サイの教育機関の子どもたちは、規律という点において手本を示さなければいけません。大きな集りでは沈黙と整列を守り、好奇心は抑えているようにしなさい。もしバールヴィカス コース〔子どもの開花教室〕を修了した子どもが、おしゃべりをしていたり、しょっちゅう手をたたいたりしていたら、バールヴィカスの活動に不信感をもたらします。どんな状況においても、厳格な規律を守り、先生や目上の人の言うことに従うようにしなさい。

さらに、困っている人のために「犠牲」を払うことを身に付けなさい。犠牲というのは自分が持っている力の限りを尽くして人を助けに行くという意味です。もしあなたが人を助ける境遇にないならば、少なくともどんな害も与えないよう慎まなければなりません。それも一つの犠牲の形(人に害を与えるという性向を捨てること)です。

今日の権力者たちは、人々に重荷を負わせる多くの活動に従事し、人々に苦しみを作り出しています。その一方で、子どもたちを良くするための施設を提供する活動はほんのわずかしかしていません。いわいる先進国と呼ばれている国々ですら、さまざまなプロジェクトに何千万というお金を使う一方で、若い世代の健康と幸福にはろくに注意を払っていません。そうした国々は、自分たちの利己的な目的のためには手を変え品を変え若者たちを利用しようとしますが、子どもたちの長期的な未来については考えていません。諸大国が使っている軍事費の六日分で、何十万人という子どもたちに丸一年不自由のない暮らしをさせるのに十分なほどです。

子どもは柔らかなハートを持っているということを覚えておきなさい

子どもの健康に気を配ることは非常に大切です。健康は生きていく上で一切の基盤です。後進国の子どもの状態は哀れなものです。多くの子どもは栄養のある食ベ物を食べておらず、きちんとした衣類も身につけられず、屋根もないところで生活しています。そのため、栄養不良で、衰弱し、さまざまな病気に苦しんでいます。第三世界の国々では、毎日4万人の子どもたちが栄養失調で死んでいます。私は、この不運な子どもたちを助けるために裕福な人たちが何かすればいいのに、と思っています。裕福な人は自分の繁栄と幸福だけで満足しているべきではありません。裕福な人には自分より幸運でない状態にある人たちへの義務があります。裕福な人は貧しい人や弱者を助けに行くべきであり、そのとき、恩着せがましくしたり、いばった態度をとったりしてはなりません。純然たる思いやりと同朋意識から助けを差し伸べなければいけません。そして、こうした支援を人生の意義深い主要な目的の一つと見なさなければいけません。

親愛なる教師の皆さん!

子どもに教えるとき、あなたは自分に世話を任せられた子どものために気高い任務に就いているのだということを思い出さなければいけません。子どもを教育しているとき、あなたは自分自身を教育しているのだと感じなければいけません。たとえば、子どもに何らかの知識を授けるとき、あなたはその科目に関する自分の理解も深めています。子どもに教えるために書物を学んでいるときでさえ、あなたもその学びから喜びを引き出しています。ですから、あなたが人に何をしようとも、それは一人ひとりの中に宿る神にしているのだ、という気持ちを常にもっていなければいけません。この精神で教師の義務を果たすとき、子どもたちに普遍的な愛の精神が吹き込まれるでしょう。子どもは柔らかなハートと無垢な心を持っているということを覚えておきなさい。皆さんが子どもたちのハートを愛で満たして初めて、世界は純然たる平和を得るでしょう。

プラシャーンティ ニラヤムは子どもたちの生家

皆さんはバガヴァンへの信愛ゆえに、ここにいる子どもたちを親元から離して遠くからここに連れてきました。それはあなた方の信愛を立証しています。子どもたちはバガヴァンへの信愛ゆえに、多くの困難と不便に耐えてきました。子どもたちは皆バガヴァンへの愛ゆえに、プラシャーンティ ニラヤムにやって来ました。プラシャーンティ ニラヤムは子どもたちの生家です。ここでは、よその場所では見つけることのできない至福を味わうことができます。バガヴァンは子どもたち全員にとって母親以上の存在です。私はあなた方全員が、お母さんの家で至福に満ちた時を過ごしたという気持ちと喜びと共に帰ってほしいと思います。ここでの滞在費はすべてサイの信託〔セントラル・トラスト〕が負担します。皆さんが持ってきたお金は、バールヴィカスの活動のために使ってもよいでしょう。

私は、サイ オーガニゼーションとセヴァダルと教師と生徒のためのこの大会の成功に貢献した一人ひとりが長生きと健康と幸せに恵まれるよう祝福します。

翻訳:サティヤ・サイ出版協会
出典:Sathya Sai Speaks Vol.16 C31

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