サイババの御言葉

日付:1985年12月11日・場所:チョウディアフ記念会館(バンガロール)
愛に関するババの御講話より

愛による平等


人々の平等は、物品を等しく分配することによってではなく、愛を育むことによって達成する必要があり、そうすることは、あらゆる生き物に生まれつき備わっている神性を伸ばします。

このバーラタの国〔インド〕では、あらゆる歴史の移り変わりの中で、一貫して、真実〔サティヤ/真理〕は人が大切にすべき最高の価値であると見なされてきました。これは、サナータナ ダルマ〔古よりの永遠の法〕として受け継がれてきた文化的伝承の真髄です。古代の聖仙たちは、カルマ ヨーガ、すなわち、神に捧げるという精神で生活における自分の義務を果たすこと、の重要性を強調しました。カルマ ヨーガによって、人は五感の制御を成し遂げ、普遍的な愛、寛容、思いやりという特質を伸ばします。

体は無私の奉仕をするために授けられているということを、すべての人が知るべきです。さらには、創造世界には誰か一人の人物に使わせる目的で存在しているものは何もない、ということも知るべきです。ですから、私たちは、「これらの物は私が使うために与えられた物だ、これらは私のものだ」などという気持ちを捨てるべきなのです。

愛のない人生は無意味

社会における平等を実現するという話がありました。社会主義を通じて富を平等に分配することが理想であるという宣言がなされました。しかし、本当にそのような平等を築くことが可能なのでしょうか? たとえ物質的な富が平等に分配されたところで、欲望と欲望の対象の平等を保証することができますか? 欲望と欲望の対象における平等が存在する時にのみ、本当の平等を得ることができるのです。裕福な人の財産の一部を取り上げて、それを貧しい人に与えることで、貧しい人には満足を与えることができるかもしれませんが、財産を奪われた人に芽生えさせた不満はどうするのですか? 物品の向こうに存在する、あらゆるものの提供者である至高の実在に目を向けなければなりません。すべての生き物の中に存在しているその唯一者を認識し、すべての人を神の顕れとして敬う時、あなた方は、真の意味での平等を実現することができます。自分はバーラタ人だと主張する人は皆、すべての生き物への愛によってこの種の平等をもたらすよう奮闘すべきです。

愛のない人生は無意味です。あなたが愛すれば愛するほど、愛は育っていきます。本当の愛と、人や物への執着とは、区別されるべきです。執着は自分本位を基盤としています。愛は無私を基盤としています。愛は、あなたの善行という花が実を結んだ果実です。無私の奉仕に従事する時にのみ、その清らかな愛の果汁を味わうことができます。

一体性は犠牲から生まれる

現代では、科学、経済、政治、等々、さまざまな分野でかなりの進歩がありますが、どの人の行いも利己心によって動機づけられています。人は利己心の手の中にあるおもちゃになってしまいました。人々の間に一体性がありません。一体性は、もっぱら犠牲によって生まれるものであり、欲や快適さを追い求めることでは生まれません。

あなた方は慈善を養わなければなりません。慈善というのは、困っている人や団体にお金を施すことを意味しているのではありません。慈善は、あなたの中のあらゆる悪い思考を取り除き、魂を大きくすることを必要とします。慈善は清らかさをもたらし、清らかさによって一体性が得られます。ひとたび清らかさと一体性を得れば、神性を顕現させることができます。

今、周囲を見渡しても、社会のために犠牲を払おうとする兆候はほとんど見られません。人は、自分のことを偉大な帰依者だとか、霊性修行者、あるいは科学者であると自称するかもしれませんが、犠牲の精神がなければ、その人の中に偉大さはまったくありません。セヴァ(無私の奉仕)は生活に味を付ける塩です。犠牲の精神は生活に香りを付けます。人は60年、70年、あるいは80年生きるかもしれませんが、自分の人格を高めること、他者に献身的に奉仕することに自分の生活を捧げていないなら、長生きしても何の意味もありません。あなたが欲望の対象とすべきものは、建物や地位や工場や産業ではありません。あなたが獲得することのきる最高の財産は、善良な人格です。

五つのプラーナ(生気)よりも生命力に満ちた、真実(サティヤ/真理)、ダルマ、平安、愛、非暴力は、万人の命を支える呼吸です。その中でも一番偉大なものは、愛です。あなたを愛でいっぱいにしなさい。愛は、社会への奉仕という形で現れるべきです。あなた方は、そのやり方で社会の面倒を見るべきです。私たちは社会のためにあり、社会は万人にとって善いことのためにあるのです。奉仕をして、あなたの周りのすべての人に喜びと慰めを広げることで、あなたの生活を神聖なものにするよう努めなさい。

翻訳:サティヤ・サイ出版協会
出典:Sathya Sai Speaks Vol.18 C28

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