サイババの御言葉

日付:1987年7月30日・場所:アナンタプルの大学講堂
サティヤ サイ女子大学での御講話より

灯台となりなさい


学生の皆さん! あなた方は、現代の世界を取り巻いている、混沌、不正、虚偽、無秩序の根本原因を真剣に考えなければなりません。老人は、昔を懐かしみ、「古き良き時代」が過ぎてしまったことを嘆くばかりです。若者は、自分の将来の計画、職業や結婚や家庭のことを心配しています。老人も若者も今の自分の義務をないがしろにしています。彼らは、現在は過去の産物でもあり未来の種でもあることを認識していません。もしきちんと現在に対処するなら、未来は自ずと望ましいものになります。現在の自分の義務を果たす決心をしなさい。それによって未来への王道が敷かれます。義務は神です。仕事は礼拝です。この二つのモットーをあなたの人生の道標とし、その精神をもって自分の学問を追及しなさい。もしあなたが将来何かをすることを計画していても、未来という時が来るという保証はどこにありますか? しなければならないことを明日に延ばすのは、道理に外れています。今を生きなさい。目下の義務を果たす決意をしなさい。

あなたの両親に感謝の気持ちを示しなさい。あなたを育て、可愛がってくれた人に感謝の気持ちを示しなさい。先生に、配偶者に、感謝の気持ちを示しなさい。これは人間性の第一の印です。現代人は、感謝ではなく残酷さを持っています。人々は自分に良いことをしてくれた人に害を及ぼすことを何とも思っていません。これは非人道的なことです。自分に害を及ばした人にも良いことをしようと努める代わりに、自分に良いことをしてくれた人に害を及ぼすとは、何とひどいことではありませんか?

人生を価値のある意味深いものにしなさい

あなた方は、人間という同じ一つの家族に属しているという意識を持たなければいけません。言語、カースト、宗派によって分け隔てをする気持ちがあってはなりません。もしあなた方が、まだ自分の国の偉大さを理解しておらず、その威信と名誉を守ることを重視しないのであれば、あなた方の教養は何の価値があるというのでしょう? 書物による知識はわずかな価値しかありません。書物の学習に注がれたエネルギーはすべて、後にアレルギーに変わるでしょう。大切なのは、純粋で神聖な理想を培うことです。学位を取って、就職先を求めて物乞いのように歩き回るのは、情けない状況です。自信を強め、神への信心の上にあなたの人生を築き上げなさい。

霊性の衰退こそが国を混乱に陥れたものであり、その中で国は知らず知らずのうちに道徳の価値を完全に失ってしまいました。両親が敬われていません。夫婦間の愛、親子間の愛が、わずかしかありません。これはどんな類の生活ですか? 子供たちに第一に必要なのは両親への愛と敬意を持つことです。今の自分があるのはすべて両親のおかげです。

生計を立てることを身につけることは、行うべきことの半分でしかありません。残りの半分は、人生を価値のある意味深いものにすることです。学生たちは、数え切れないほどの習慣によってエネルギーが無駄にされていることに注意しなければなりません。悪いものを見ること、悪いことを聞くこと、悪いことを話すこと、悪いことを考えること、悪いことをすること。――この5つの習慣によってエネルギーが無駄に使われています。見る力は貴い贈り物です。何かを見るときにはいつも、神聖なエネルギーのいくらかが、見るという行為で消耗されます。このことは、目の見えない人はかなりのエネルギーを貯えていることが明らかになったという事実から明白でしょう。盲人のなかには聡明な人がたくさんいます。目の見える人は、日中はきびきびと歩きますが、暗くなるとまごつきます。目の見えない人は、昼でも夜でも同じ一定の速度で動きます。耳が聞こえない人、口がきけない人も、かなりのエネルギーを貯えています。なぜなら、話したり聞いたりすることにエネルギーを消耗しないからです。

現代の学生はキリンのように育っています。キリンは頭と心臓とが遠く離れています。キリンの場合は、首が長いために心臓から遠いところに頭があります。しかし、人間にはそのような言い訳はできません。人間は思いと言葉と行いが一つであることを守れるはずです。

あなた方は世の中に模範を示さなければならない

良い行いが絶対に必要です。道徳心の欠けた民族は滅びます。国に問題が起こる原因は道徳心の低下にあります。今日一番必要とされているのは道徳を取り戻すことです。道徳は、書物で手に入れることも、マーケットで手に入れることもできません。道徳はハートから生じなければなりません。

エンジニアリングや医学などの専門教育に関してですが、多くの学生は12年の教育を修了した後、これらのコースに入ってきます。これは、こうしたコースを履修するには、あまりにも早すぎる年齢です。彼らは、技術的な知識はある程度習得するかもしれませんが、一般知識と世界の状況認識に乏しく、言語能力も不十分です。学生は専門課程に入る前に、少なくとも学位を一つ取っているべきです。

あなた方が大学で勉強することと、卒業後に実生活で直面しなければならないことの間には大きな開きがあります。学業を修了した後、あなた方は結婚して、義理の両親や嫁ぎ先の他の人々の習慣や態度に順応しなければならないかもしれません。あなた方全員が仕事に出られるわけではないでしょう。ここで得た知識はどうなるのでしょう? 自分が学んだことは、後に送らなければならない類の人生の役に立つ、と見なさなければなりません。あなた方は、どうやって社会の中に入ったらよいか、そして、どうすれば社会の役に立てるかを学ばなければなりません。今のあなたがあるのは、すべて社会のおかげです。あなた方は、社会に奉仕することによって、感謝の気持ちを示さなければいけません。

あなた方の第一の義務は、あなたの両親に幸福と満足を与えることです。自分の快適さと楽しみのことで頭がいっぱいであってはなりません。あなたがここで学んだすべての結果として、世の中に手本を示さなければいけません。

社会における女性の役割の重要性

女性にはこの世で果たすべき大切な役割があるということを覚えておきなさい。私たちの国の古代の人々は、女性本来の重要性を認識し、あらゆる点において相応しい地位を与えました。謙虚さを養いなさい。謙虚さは真の知識の印です。自信を育てなさい。自信がなければ人生で何一つ価値のあることを成し遂げることはできません。何にもまして、神を固く信じなさい。人々は暦の祝日に基づいて、エーカーダシー〔月相11日目にヴィシュヌ神に捧げる断食日〕のような、あらゆる種類の儀式を執り行います。けれども、すべてのものの永遠の基盤である至高神を固く信じていません。

学生の皆さん! 私たちの学校での教育は、あなた方が模範的な人間になるための一つの機会にすぎません。ここには営利目的や世俗的な目的は一切ありません。私のただ一つの願いは、あなた方が卒業して世の中に出て行った時、全員が立派なインド女性の代表となることです。正義と真実と愛と美の人生を送ることを身につけなさい。世界のための灯台となりなさい。

世界の目がサイの学校に向けられています。あなた方は、恐れや慢心を持つことなく、自分の理想にかなった生活を送らなければなりません。常に自分の良心を導き手としなさい。あなた方は、あなたの傾けるあらゆる努力において私の祝福を得ます。

翻訳:サティヤ・サイ出版協会
出典:Sathya Sai Speaks Vol.20 C17

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