「帰依者として、また役員として守るべき4つの原則」

       

― ナレンドラ・レッディー博士のスピーチを聴いて

 先日、ナレンドラ・レッディー博士が神戸センターでスピーチをされました。日本語への通訳を、メモを取りながら聞き入りましたが、その中でとても心に響いた言葉がありましたので、その要約をここにご紹介させていただきます。このスピーチは、3月31日(土曜日)のコーディネーターミーティングの中で博士がお話しされたものです。
 
 このババ様が示された「帰依者として、また役員として守るべき4つの原則」は、今の私たちに最も必要とされる原則のように思えます。正にババ様が、私たちのためにレッディー博士を通じて語っておられるように感じられました。
 
1. “Hear All , Say Nothing”(あらゆることを聞いて、何も言わない)
 私たちは、何かを聞かされるとすぐに反応して、何かを言おうとします。しかし、人の話を聞いて、聞いて、聞いて、何も言わずにいることが第一の原則です。沈黙は金です。
 
2. “Give All, Take Nothing”(すべてを与えて、何も受け取らない) 
 私たちの時間、エネルギー、お金など、与えることができるすべてのものを奉仕のために与え、何も受け取ってはいけません。
 
3. “Bear All, Do Nothing”(あらゆることに耐えて、何もしない) 
 霊的求道者にとって、忍耐、寛容こそは最大の美徳です。自分のことを批判されたり、傷つけられたりしても、弁解したり、仕返ししたりなどせずに黙って耐えなさい。
 
 このことに関してババ様は、とても良き手本を示して下さいました。ババ様を悪く言う人たちがいるという帰依者に対して、「あなたたちはババのことをこの祈りの部屋だけで思っていますが、彼らは市場であってもどこであっても、絶えず私の名を言っています(思っています)」とユーモアで受け流されました。
 
4. “ Serve All, Be Nothing” (すべての人に奉仕して、何者にもならない) 
 何かをしても、その見返りを期待せずに、ゼロのままでいなさい。
 
 このことに関しては、「恵みの水」のプロジェクトでのババ様のお手本があります。 この「恵みの水」のプロジェクトが政府に渡されることになり、それをニュースとして書くべきではないかとの進言に対して、ババ様はそれをお許しになりませんでした。それは、「あなたが父親だとしたら、自分の子供に対してズボンやパンツなどをあげたとしても、それを新聞記事に書くだろうか? 」とのご説明でした。
 
 これらの4つの原則は、単なる格言ではありません。私たちの日常の中で生かされるべき生き方の指針ではないでしょうか? どの原則を見ても、実行することを決心しさえすればできることばかりです。
 
 どの原則も大切なものに思われますが、 “Hear All ,Say Nothing”(あらゆることを聞いて、何も言わない)と “Bear All, Do Nothing”(あらゆることに耐えて、何もしない)の二つは、今の私たちにとても必要な原則のように思えます。
 
 「何も言わない」というのは、一見、愛がなく無関心であるように見えますが、そうではなく、すべての人を同じ神の現れとして尊敬し、信じることなのです。人を導くのは、すべての人の内側におられるババ様の仕事であり、私たちの仕事ではないはずです。
 
 「何もしない」というのは、批判や非難に対して黙って耐えるということです。私たちは、生活のあらゆる場面でついつい自分自身を正当化し、反論し、「正義」の名のもとに対立を起こしがちです。しかし、そうすることによってお互いが理解しあい、学びあえたことなど一度もありません。そのような不毛な対立ではなく、必要なことはお互いが沈黙を守ることではないでしょうか?
 
 そのような原則を守ることで、サイオーガニゼーションは理想のオーガニゼーションに、また帰依者は理想の帰依者に、一歩近づけるように思われます。
 
文責 サイメールマガジン編集委員
 



(C) 2010 Sathya Sai Organization Japan