ゲスト サイの学生の青年

2016/7/18(月)

 7月18日にグルプールニマーの前夜祭として特別プログラムを行いました。テーマは「サイの家族 ~サットサング~」で、金沢からサイの学生の青年をお迎えし、ヴェーダクラス、スタディーサークルの司会を担当していただきました。また、埼玉センターのホームページからメールマガジンに登録してくださった方が、初めての方も含めて、様々な地域から参加してくださいました。

 ヴェーダクラスでは、ブルグヴァッリーを教えていただきました。このヴェーダは、父ヴァルナの導きの下、息子ブルグがブラフマンとは何かを探求する物語のヴェーダです。御講話でもこのヴェーダのエピソードが詳しく語られていることがあり、それをもとにした朗読劇を行いました。サイの学生の青年にヴェーダを一行ずつ唱えていただきながら、物語をブルグ、ヴァルナ、ナレーションの三役で朗読しました。ブルグとヴァルナの台詞としてウパニシャッドの英知が語られるだけでなく、ナレーションの言葉自体もヴェーダで唱えられている内容に対応していることに驚きました。長いヴェーダであるため途中までの学習となりましたが、マントラ プシパムのように同じ型を何度も繰り返すヴェーダであったため、今後も埼玉センターで学習していく予定となりました。

 スタディーサークルのテーマは、「家族」でした。話し合いの中で、ある小話が紹介されました。ある立派な王様が寿命を全うして死の神ヤマの前に立った時、王様には98%の良いカルマと2%の悪いカルマが残っていると言われました。どちらのカルマの結果も受け取らなければならないが、先にどちらを受け取りたいかとヤマは王様に尋ねました。そんな時、皆さんならどちらを選びますか。会場の多くの人が2%の悪いカルマの方に手を挙げました。王様は2パーセントの悪いカルマを選んだ結果、ヘビに生まれ変わることになりました。そして、多くの人を毒でかみ殺すこととなり、悪いカルマが2%から50%まで増えてしまったというのです。ヘビとしての命を終えた後、かつて王様だったヘビはヤマに再び会います。そして、今度はよいカルマの方を選び、聖者として生まれ変わることになりました。聖者はその人生で、よいカルマを増やすことができました。この話にはまだ続きがあり、またその後に、この話と似ているシャンカラーチャーリヤの小話も紹介していただきました。これらの話を聞いて、いつもよいものを見たり、聞いたり、食べたりしてよい生き方をすることを、今までと違った視点で考えることができました。そしてよき仲間、サットサングと共に生きることのかけがえのない価値に、あらためて気づくことができました。よいところに注目することは、日本人にとって特別なテーマの一つであるように感じます。スワミは学生に対して、何かを選択する時にはいつもよいものを選びなさいと教えているという言葉も印象に残りました。

 ゲストスピーチでは、彼がまだサイの学生ではなく他の学校の学生だった頃、プラサードを配るサイの学生のふりをしてスワミの御前に走り出たという体験談を伺いました。すべてをご存じのスワミは、彼に、いつか本当にサイの学生になる日がくるということをユニークな方法で伝えました。そして、数年後に本当にサイの学生になった彼に対して、スワミはまたユニークな言葉をかけるのです。母なる神は、帰依者の人生をいつも見守り導いてくださっています。このような神との直接のつながりの体験を、直接伺うことができる時間は、まさにサットサングです。その場に参加したすべての帰依者が、神との愛のつながりを、自分のことのように感じることができるのです。パリクシット王が聖者シュカからクリシュナの物語を歓喜の内に聞いたように、現代の私たちはバガヴァン ババの物語をサイの学生から直接聞くことができます。また、インドのスワミの近くに住んでいなくても、この日本で自分自身で体験することもできるのです。

 金沢からお越しくださったサイの学生の青年の神への深い愛と、関東各地の多くの兄弟姉妹の神への愛が、埼玉の場で一つにつながり、グルプールニマーの日に神への捧げものとなりました。


2016年11月26日|ブログのカテゴリー:2016