・ババの御教え・
あなたが今回、人間として生まれて来れたことは、非常に幸運なことです。ですから、あなたを目的地まで連れて行ってくれるこの神聖な船(肉体)をよくよく注意して扱い、生々流転(サムサーラ)の海を無事に横切ることができるようにしなければなりません。この海には、恐ろしいワニや、あなたに危害を加えるぞっとするような様々な生き物が住んでいます。この危険なワニたちは、怒り、貪欲、欲望、憎しみ、慢心、嫉妬という形の、人間の敵です。それらのものは、不可解なこの世の中の、あらゆる層に住んでいます。この海そのものは、悲しみと喜び、牽引と排斥などのように相対立するものが入り混じって出来ています。この人生という海の中にいるときは、いつ幸せを手にすることができるか、またいつ悲しみの淵に落とされるかを、前もって言い当てることは非常に困難です。
あなたがそれほど多くのワニに付きまとわれているとき、この旅路を無事に終えるための最良の方法は、あらゆるものの中に一体性を見ることです。あなたは、神聖原理、すなわち、自ら光を発する灯火の形をした神がすべての人の中に、またすべてのものの中に住んでいるということを固く信じなければなりません。万人の中に住んでいる神の存在を認識することさえできれば、また、一見多様に見えるすべてのものごとの中に、一体性が認識できさえすれば、あなたは、もう誰も憎むことができなくなります。そういうわけで、ギータの中では、「アドヴェシュタ サルヴァ ブーターナム(いかなる存在に対しても憎しみを示すなかれ)」という戒めが、最も大事なものとされているのです。
一(中略)一
バクティ ヨーガ(帰依の道)に関する章の中に、帰依者が神に愛されるようになる、帰依者としての様々な尊い性質が書かれています。そこで強調されているのは、人間の六つの敵がコントロールされた後に、この望ましい諸性質が開花するということです。これは果して容易にできることでしょうか? それができるのです。いかなる場所においても、唯一の神がこの五元素の中に住んでおり、すべての存在を動かしているのは神であるという真理を認識しさえすれば、人間の六つの敵は直ちに克服できます。この真理を認識し、体験するまでは、あなたは何をしても、真の満足を得ることはできません。
口に塩を含んでいれば、どんなに甘いジュースを飲もうとしても、塩の味がします。まず塩を取り除いて、口を良く洗わなければなりません。そうすれば、甘さを味わうことができます。塩がなくなれば、あなたの飲んだジュースの、何物にも邪魔されないそのままの甘さが味わえます。同様に、あなたにとって欠かせない部分になってしまった、憎しみ、怒り、嫉妬、慢心、貪欲、エゴといった悪い性質を、取り除くことができて初めて、慈悲・犠牲・慈善・同情・神の愛の甘さと美しさを味わうことができるのです。
『サティア サイババによるバガヴァッド・ギータ講話』(今夏発刊予定) 第5話より (C) 1996 Sathya Sai Organization Japan