ワカ・チンナ・カタ(小話)
あるとき、イシュワラ チャンドラ ヴィディヤ サーガルは講演をするために、隣村へ向かっていました。彼の講演を聴くために、人々はいつも大勢集まっていました。
ある若い役人が、イシュワラ チャンドラの講演を聴きたいと思い、講演会場に向かおうと、鞄を待って列車から降りました。イシュワラ チャンドラもまた同じ列車から降りました。若い役人は、鞄を持たせるためにポーターを呼んでいました。イシュワラ チャンドラは彼の所へ行って言いました。「どうしてこんな小さな鞄をポーターに持たせる必要があるのですか? あなたが自分で持ってお金を節約することは出来ないのですか?」彼は答えました。「鞄を持つことは私の品位にそぐわないのです。私は教育を受けた人間なのです」イシュワラチャンドラは言いました。「教養のある証とはプライドではなく、謙遜です。もしあなたが自分の鞄を運べないなら、いったいどうやって自分の肉体を運んでいるのですか? それでも持てないと言うなら、私が持ちましょう」イシュワラ チャンドラは役人の鞄を待ちました。彼は“質素な暮しと高邁な思考”をモットーに行動しました。その若い役人は、『自分のポーター』にお金を支払いたいと思いましたが、イシュワラ チャンドラはこう言ったのです。「あなたに奉仕することが私の報酬なのです」
若い役人はそこを去り、講演会場に赴きました。人々がイシュワラ チャンドラを講演に迎えるために、花輪を捧げていました。その若い役人は、その人こそ、駅で鞄を持ってくれた人であり、他でもない尊敬する今日の講演者であるイシュワラ チャンドラ ヴィディア サーガルであることに気が付きました。彼は、この様な偉大な人に鞄を持たせてしまったことを恥ずかしく思いました。「彼の教育とは何だろうか。そして私の教育とは何だろうか。私はまるで太陽を前にした蛍のようだ」
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