プラシャンティニラヤムより
東の空に昇った朝日が、ブリンダヴァンのラメーシュ ホールに金色の光を降り注いでいました。心ゆくまで神のダルシャンを得ようとして今か今かと待っている何千人もの帰依者たちに快適さを届けるため、涼しいそよ風はホールに忍び込んでくるまぶしい光と熱をできるだけ和らげようとしていました。
それは今年(1998年)の5月9日のことでした。シュリ サティア サイババ様は、5月9日と10日の2日間、ブッダ プールニマをババ様の蓮華の御足のもとでお祝いすることを許してくださいました。ブッダ プールニマ(花祭り)は、ホワイトフィールドで祝われる国際的な行事として認められています。スワミの恩寵によって、サティア サイ オーガニゼーションの仏教的活動に関する事務局はスリランカに置かれており、Sis.ナンディニー サマラシンゲが会長に任命されています。
それは私たちにとって、スワミからいただいた非常に特別な恩寵です。私たちは1995年から3年間にわたって、このお祭りを主催する機会に恵まれました。花祭りは国際的な行事であるという宣言がなされて以来、このお祭りを主催する機会は、世界中の仏教国に開放されたのです。タイ国が最初名乗りを上げ、今年のお祭りはタイ国の帰依者たちの手によって主催されました。
公式日程は、スワミによって5月9日と10日と定められていましたが、仏教徒の参加者たちは8日から特別な待遇を受けました。スワミの恩寵が顕著に表されました。彼らは、愛に満ちたスワミの柔らかく優しい御心によって、特別なラインに並んで最初にホールに入場し、1番前のブロックに座ることが許されました。
5月9日は主に霊的な行事に捧げられました。朝のダルシャンの後、帰依者たちは再びラメーシュ ホールに集まって、セミナーに参加しました。セミナーのテーマは、「内なる平安─プラシャンティ─仏陀の聖なる教え」でした。ネパール、スリランカ、日本、台湾、タイ国を代表する方々が貴重な講演をしました。また、このテーマの意義と、お祭りが霊的に必要であることについての詳しい説明がなされました。夕方のバジャンは、参加国を代表する歌い手たちによって、国際色豊かなものとなりました。
ブッダ プールニマの夜明けはスップラバータムによって始まりました。朝、暗いうちから、帰依者たちはラメーシュ ホールを埋め尽くしました。夜明けはまだまだ先のことで、太陽は東の空を照らし始めるにも到っていませんでした。夜明け前の涼しく澄み切ったそよ風が、アシュラムの敷地を包んでいました。そのそよ風は、神を讃えてバジャンを歌うナガラ サンキールタンを行う帰依者たちを優しく包んでいました。
ダルシャンの時間が近づいてきました。様々な色合いの装束を身にまとった仏教徒の帰依者たちは、白地にオレンジ色の法輪を染めたスカーフを巻いて、祈りの言葉をつぶやきながら静かにたたずんでいました。
ラメーシュ ホールに入った人々は、ここはタイ国か、ブリンダヴァンかと目を疑いました。ホールは伝統的なタイの花飾りとウェサク祭の提灯に飾られていました。黄金色にきらめく錦織の垂れ幕の下がった舞台は、色とりどりの造花でひときわ輝きを増していました。舞台の中央には、タイの技術の粋を傾けて精密な彫刻の施された、黄金の椅子が置かれていました。それは、タイ国の儀式を司る宗教的指導者に贈られた椅子でした。それはまさしく、神にふさわしい玉座でした。
静かな音楽が流れて、スワミが近づいて来られたことを告げました。柔らかく涼しい朝のそよ風が、音楽の調べを会場へと運んで行きました。色鮮やかな踊りの衣装を身につけたバルビカスの子供たちが、タイの伝統的な楽器を使って、タイの伝統的な音楽を奏でながら、行列を先導して来ました。スワミは、仏教の僧侶たち、Bグループ諸国の統括、タイ国の中央コーディネーター、スリランカとネパールの中央評議委員長、台湾とタイ国の全国統括、そしてスリランカ大統領兼首相の家族を従えておられました。
スワミはラメーシュ ホールに入場されるとき、タイ国の王室の方々による歓迎をお受けになりました。
私たちの主であるスワミは、歩いておられたのか、空中を滑っておられたのか、あるいは風に浮かんでおられただけなのか、それは誰にも判りませんでした。すべての眼はスワミの姿に注がれていました。スワミの優しい聖なる微笑みは、帰依者たちの一人ひとりを包んでいました。スワミは非常にゆっくりとした足取りで、空中を滑るように進んで行かれました。そして、一歩ずつ階段を昇って行かれました。おそらくその階段はスワミの足取りを感じなかったに違いありません。と私が言うのも、その足取りが実に柔らかだったからです。スワミが舞台に昇っていくと、そこには主に座っていただこうと待っているかのように、儀式に使う玉座が置かれていました。主であるスワミは、階段を2つ昇られました。そして、席にお着きになると、両手を挙げて聖なる祝福をお与えになりました。玉座に座られた主のお姿は、実に素晴らしいものでした。そのお姿は、いつまでも私たちの心に深く刻み込まれていることでしょう。
タイの歌い手によるバジャンがホールを満たしました。スワミはいつものように拍手を取りながら、バジャンをお聞きになっていました。バジャンの途中、スワミは舞台から降りられ、帰依者たちの間をお歩きになりました。スワミの両手は手紙でいっぱいになりました。そして、手紙を入れるための袋も、瞬く間にいっぱいになりました。ヴィブーティを物質化され、小さな子供たちに祝福を与え、帰依者たちに一言二言、言葉をおかけになりました。スワミは実に優雅に歩かれ、帰依者たちに一人残らず満足をお与えになりました。スワミは敷地内の灼熱の日差しの中に座っている帰依者たちのことも片時も忘れてはおられませんでした。そして、彼らのいるところまで歩いて行かれ祝福を与えられました。
ダルシャンは終わりました。しかし、帰依者たちは眼を閉じて深い瞑想に入り、地面に釘付けになったように座り続けていました。「ブッダン シャラナン ガッチャーミー…」という経文を唱える声が聞こえていました。舞台の右手に特別に作られた祭壇の中央には仏陀の像が置かれ、その左右にはシルディ サイババとサティア サイババの写真が飾られていました。これもまた、タイの美術と文化を駆使した、伝統的なタイの祭壇でした。その祭壇の下に座って、セスピリスと呼ばれる経文を唱えていた7人の仏教僧のうち、5人はタイから、2人はスリランカから来た僧侶たちでした。ピリスニパンと呼ばれる聖水のしずくが帰依者全員に振りかけられました。
夕方、スワミがステージに上がられたときは、タイの仏教の聖歌が大気に漂っていました。そして、皆が最も待ち望んでいた瞬間がやって来ました。ステージでは聖なる御講話の準備が整いました。スワミの御講話の前に、Bro.比良、第9地区中央コーディネーターBro.ティラキアット(ジュードー)、サイ大学の学生、Sis.ナンディニー、タイ国会長Sis.パンティップが、短いながらも適切なスピーチをしました。
スワミは実に優雅にお立ちになって、実りの多い、霊的で神聖な御講話をされました。御講話のテーマは仏陀の生涯とその教えについてでした。御講話の最後は、「プレマ ムディタ マナセ カホー ラーマ ラーマ ラーム」というバジャンが会場全体に響きました。音楽性豊かなスワミの聖なる歌声が、帰依者たちの耳を満たし、帰依者たちの心を震わせました。
アルティはSis.ナンディニーとSis.パンティップ、そして男性側では学生たちによって行われました。仏教の祭壇に燈火を捧げるタイの儀式で、お祭りはクライマックスに達しました。蓮の花をかたどった提灯を手にした19人の帰依者たちが一列に並んでラメーシュ ホールの入り口に向かってゆっくりと歩いて行きました。最初の2本のロウソクは、スワミによって火がつけられ、Sis. パンティップとBro.ティラキアットに手渡されました。そして今度は、その他の帰依者たちが、この2本のロウソクから自分たちのロウソクに灯をともしました。
ラメーシュ ホールの前の庭の中央には、大きなピンクの蓮の花がありました。その中央部には、彩色の施された小さな玉で飾られた法輪が置かれていました。火のついたロウソクを持ったすべての帰依者たちは、「ブッダン シャラナン ガッチャーミー、ダルマン シャラナン ガッチャーミー、サンガン シャラナン ガッチャーミー」と唱えながら、サラスワティー女神を取り囲む蓮の花の周りを歩いて回りました。
太陽は長い長い1日の旅を終えていました。夕方のそよ風は涼しく、人々の気分を和ませてくれました。鳥たちは楽しそうに歌いながらそれぞれの巣へと帰って行きました。
夜はゆっくりと、しかし着実に近づいていました。仏教徒の旗が涼しいそよ風にはためいていました。彩色の施された小さな玉がブリンダヴァンを照らしていました。ラメーシュ ホールのある構内は静寂に満ち、神聖でした。天国がブリンダヴァンにお住まいの神と共に、ブリンダヴァンの地上に降りてきたようでした。
期待に満ちた5月11日の夜が明けました。それは、スワミがすべての仏教徒の帰依者たちに特別な祝福とパダ ナマスカールをくださった日でした。「ホールから帰らずに座っているように」という、待ちに待ったメッセージが伝えられました。何という祝福でしょう。何という救いでしょう。
愛の神は、一人ひとり、全員のところにやって来られました。祝福を与え、皆が礼拝できるようにお御足を出され、優しい言葉をかけ、肩を叩き、励ましの言葉を与え、心を癒す甘く神聖な言葉をかけ、優しく包み込むような笑顔で一人ひとりの心を明るくさせながら、神は滑るようにゆっくりと動いて行かれました。
「スワミはとてもハッピーです」とババ様は言われました。
私たちは、スワミにお喜びいただいて、とても幸せです。
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