神のお迎え-儀式
生命の詩
インド花祭り2日目朝のスワミの入場の儀式で舞踊を演出しました。
これはダルシャンの時にババ様を先導しながら踊るという希なる機会で、この舞踊作品を『生命の詩』と題し、神が降臨されたという喜び、サイ アヴァターと同じ時を生きているという喜びに、高貴な魂であるブッダの誕生の喜びを重ね、神に与えられた命の尊さ(天上天下唯我独尊)を表現することをテーマに取り組みました。
舞踊手は東京青年部の男性5名で音楽は九州のプロの和太鼓隊、川筋太鼓の皆さんに生演奏でお願いすることになりました。練習期間は約1ヵ月半、踊りの訓練をしたことのない彼らをどのようにして本番までに心身共に最高に昇華させるかが問題でした。
案の定なかなか一筋縄では進みませんでした。5人の調和が今一つであるという難点を抱えつつ、振り付けも完成に近づいた頃、この作品のテーマにあるもう一つのセンテンスが浮かびました。
それはババ様の5つの価値-真理、正義、平安、愛、非暴力を盛り込むというものでした。舞踊手の5人それぞれに祭壇の前で価値の書いた紙をおみくじ形式に引いてもらい、役を決定し、以後それぞれを役(価値)名で呼ぶようにしました。そして、踊りのラストは5人がサルバダルマのマークを作るという構成に決まりました。
群舞踊で一番大切なのは調和です。5つの価値は、一人でも欠けると五角形になりません。ババ様が我々に望んでいるのも調和であるということが判り、皆の意識も次第に変化していきました。
そして、インドでの初リハーサルで、驚くべきことが起こりました。それは、川筋太鼓の魂に響く大変素晴らしい生演奏で、彼らの踊りに変化が生じたのです。何度稽古しても苦労した、喜びを表現するための躍動感がごく自然に出ているのです。
しかも、私自身上手く教えられなかった日本の伝統的な舞踊のステップを踏んでいます。
ババ様はおっしゃいます。「皆さんは音楽を聴くと、何と幸せな気分になることでしょう! この幸せはどこから来るのでしょう? それはあなた自身のハートから来るものに他なりません」
彼らは魂に響く日本の太鼓によって、忘れていた本来の日本文化の素晴らしさをハートで思い出したのです。そして当日の朝、すべてをご存知であるババ様は、パレード直前に舞踊手に名前をお聞きになったそうです。皆、俗名ではなく役の名前、各価値の名前を答えたそうです。何と素晴らしいやりとりであったことでしょう。
そうして始まった本番での舞踊は、多少粗削りなものではありましたが、その表情には確かに神に対する感謝の気持ちと美しい微笑みが現れていました。
ババ様はおっしゃいます。「今日、人々は、芸術(アート)は何であるか判らないでいます。アートはハートから生まれるのです。ハートによって与えられたアートは、ハートの反映に過ぎません。アートは外に現れたものであり、ハートは、内側にあるものです。内なるハートが外側の芸術として反映されるのです。ですから、私たちは、ハートを神聖な方法によって養う必要があるのです」
すべてを監督し執り行ってくださったバガヴァン ババ様に心からの感謝を捧げます。全世界が5つの価値の完璧な五角形を作ることができますように、我々を道具としてお使いください。
ジェイ サイラム
東京センター青年部
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