サイラムニューズ NO.79  

Sai Speakers

2001年インド花祭り 講演

 

5月7日のインド花祭りで、ホワイト フィールドにて、 世界第三地区統括世話人のBro. 比良 竜虎がスワミの御前で帰依者の皆さんに行った講演をご紹介いたします。

オーム シュリ サイ ラム  

 私たちのもっとも敬愛するバガヴァンの蓮華の御足に、 心からのお祈りを捧げます。スリランカ及びインドネシアから来られた尊い仏教聖者の皆様、そして親愛なる兄弟姉妹のみなさん、このヴェサク祭が皆様にとって幸福で有意義なものとなりますことをお祈りいたします。バガヴァンの御臨席のもと祝われるこの大変神聖で、吉祥なブッダ プールニマ祭にようこそおいでくださいました。バガヴァンは仏教徒からはサイ仏陀、サイ阿弥陀、またゴータマ サイとして崇敬されています。

 いつまでも失敗を繰り返し、神の恩寵を受けるに値しない我々を高めるために、我らが愛するスワミとサイの学生たちは、慈悲深くもコダイカナルのプログラムを犠牲にして、スワミの御臨席のもとヴェサク祭を開催したいという私たちの願いを聞き入れてくださいました。主よ、「帰依者第一」というあなたの愛の原則に、私たちは本当に感動し、 永久に感謝いたします。神御自身の御臨席を賜ったことにより、私たちはまさにヴァイクンタ、すなわち天国そのものにいるのです。

 祝典や祭礼、記念祭といった行事は、私たちの霊的成長の証です。オーガニゼーションは見事な進歩を遂げましたが、私たちは過去に成し遂げた偉業を振り返ることなく、 さらなる未来を見据えねばなりません。「言うは易く、行うは難し」と言いますが、バガヴァンは、「サーダナ( 修行)が先で、サンカル パ( 神の意志)はその後です」とおっしゃっています。またバガヴァンは、「帰依者がどれほど深く神を求め ているかをまず見定めた上で、私のサンカルパ( 神の意思)による恩寵があります。サーダナ( 修行)が必須条件です。 ちょうど大学の教授や学校の教師が、生徒の書いた答案をよくよく注意を払って見た後に生徒の成績をつけるのと同じように、私もまた、あなたが自分に課したサーダナに対する真摯さや堅固さをはかり評価を下すのです」とおしゃっています。そして、「私はあなたのサーダナに従って自分の意志( サンカルパ)を組み立てます」とおっしゃって います。多くの人々は生老病死といった悲しみ、苦しみはサーダナによって回避できるということに気が付いていません。バガヴァンは私たちにとても特別 で効果的なマントラをくださっています。それは、「Do more. Do More」、 すなわち、「もっともっと行いなさい」というものです。

 今年のヴェサク祭は特に神聖であると言えます。というのも、2001年は新世紀、すなわち希望の世紀、成就の世紀の始まりであり、またさらに素晴らしいことには、バガヴァンの御生誕75周年にあたるからです。しかし、この希望と成就もただ一つの要因にかかっています。それは、信仰と疑惑の間での人類の戦いです。バガヴァンの神性に対するこの信仰と疑惑の闘争は全世界の命運を決める鍵となるでしょう。

 バガヴァンが75歳の御誕生日になされた、人類に対する非常に重要な御講話を聞いた後、私はスワミにこうたずねました。「スワミ、シルディ ババの御教えのエッセンスを二つの言葉に要約すれば、それは信仰と忍耐ということになると思います。それでは、シュリ サティア サイ アヴァターのすべての御教えをカバーする二つの言葉とは何でしょうか?」。するとスワミはこうおっしゃいました。 「プレマ( 愛)とティヤーガ( 犠牲)、あるいはプレマ( 愛)とセヴァ( 奉仕)です」。ババの使命とは、「私は愛と奉仕という根本原理を人々の心に植え付けるため、ユガ( 時代)ごとに生まれ変わる」という言葉に表されます。

 皆さんは、この75周年の年に、スワミが人類にくださった最も価値があり永続する贈り物とは何であると思われますか? それは、バンガロールにあるスーパー スペ シャリティ ホスピタルです。神御自身が建て、直接その運営にかかわり、職員に指示を出してくださる病院は、世界を見回しても前例がありません。

 ラーマ神の時代、ハヌマーンは薬草を得るためにサンジーヴィニ山を運びました。サティア サイ ラーマの現代においては、私たちはラーマ神時代の猿軍団のようにサイの猿軍団として、病人や貧しい人々、困窮者のために医療に必要な消耗品や物資の山々を運ぶ役を演じなければなりません。この新しい病院はサイ アヴァターの歴史の中でも、まさに輝かしい記念碑です。

 ところで、なぜバガヴァンはヴィディアギリに立つハヌマーンの像を、ほかの像よりも大きく高く作らせたのでしょうか? それは、ハヌマーンが帰依の典型だからで す。バガヴァンはハヌマーンやドラウパディー、ダルマラージャといった偉大な帰依者たちを見てきました。スワミは彼らのような帰依を欲しています。私たちは、ハヌ マーンに勝るとまではいかなくても同じくらいの帰依心をもち、皆で力を合わせて、スワミを喜ばせなくてはなりません。猿の身でありながら、ハヌマーンはラーマの僕(しもべ)になりました。そして、僕から帰依者になり、最後には神の一員になったのです。同様に、私たちも自分たちの猿のような心を手なずけて、執着を離れて奉仕をし、その奉仕を帰依心にまで高め、最後には神と一つにならねばなりません。もし猿でも神になれるというのであれば、私たちが神になれないはずがありません! 私たちは、スワミの最高の帰依者になるという希望と目標を常に抱き、理想と志を高く掲げるべきです。そして、自分が何をすればスワミが喜ぶのかをいつも考え、そのような行動のみをとらねばなりません。

 ダーナ、すなわち慈善は知恵ある者がもつ美徳です。霊的な事柄における努力や投資は他のいかなる投資よりも見返りが大きいのです。バガヴァンは、将来さらに多くのこのような病院ができるだろうとおっしゃっています。そして、それにはさらに多くの献身と帰依が必要とされます。みなさん、用意はいいですか…!古代には、涅槃の境地は、住まいやあらゆる快適さを放棄することにより、森の中で実践されました。しかし、今日では、常に寛大で慈悲深い私たちの主は、森へ行かずとも、ただ神聖なるサイ オーガニゼーションの真の一員となり、サイの規律を忠実に守ることによって、涅槃に到ることができると保証してくださっているのです。

 バガヴァンは、いつも静かに困難に耐えてこられ、一度も帰依者に対して財産への執着を捨てるようにと言われたことはありません。その最も良い例がプラシャーンティ ニラヤムのマンディールで、この建造物は50年かかってやっと完成しました。スワミはいつも熱い砂の上を裸足で歩かれて、私たちにダルシャンを与えてこられました。バ ルコニーの外側には屋根がなかったため、雨の日には帰依者と一緒にぬれながらダルシャンを与えていらっしゃいました。このことに帰依者が気付くのに50年かかりましたが、ようやく砂の地面 には大理石が敷かれ、マンディールの上には帰依者を雨から守る屋根ができました。バガヴァンは寄付を一切求めなかったために、私たち帰依者には50年もかかったのです。

 バガヴァンは、私たちに慈善と富への執着を離れる方法に気付かせるために化身されました。蓄える代わりに、 種を広く蒔くのであれば、大きな霊的収穫が得られるの です。

 ある時、海外で医師をしている帰依者が、病院の資金について深刻に心配していることをスワミに告げました。そ のときスワミがなんとおっしゃったかご存知ですか? ババ様は、「神が意図すれば、お金の雨すら降るでしょう」とおっしゃったのです。

 このことは、スワミが誰からも何も受け取らない、欲しないということを端的に表しています。スワミは、私たち一人一人が、等しくサイの使命に参加するチャンスを得て、慈善と無執着という気高い理想を実践し、涅槃の至福を味わうこと、それだけを欲しているのです。

 今日、皆さんはフィリピンのサイの姉妹が、美しいメロディーの歌を二曲歌ったのを聞かれたかと思います。神の恩寵によって、二つの大きな目標が達成されました。一つは、フィリピンのシュリ サティア サイ セヴァ オーガニゼーションの求めに応じて、フィリピン政府がヴェサク祭の日を国家の祝日として公式に承認したことです。もう一つは、これもまたマニラにあるアジア開発銀行が、自行の行員の人格やモラルの向上を目的として、サティア サイの 人間的価値に関するシンポジウムを初めて開催したことです。シュリ サティア サイ セヴァ オーガニゼーション は、ダルマの核心を明らかに理解するために、釈尊の聖なる御教えを守り育み、ダルマの衰退を阻むための静かながら非常に重要な役割を果 たし、仏教に変容をもたらしているのです。

 ブッダ ジャヤンティはお釈迦様の輝かしい誕生とその遺産に照らし合わせて、自分の霊的目標を改めて見定める日です。シュッドーダナ王やシッダールタ王子等の、愛と犠牲に満ちた模範的な人生の高貴な意味を学ぶための日です。

 日本のサティア サイ青年部は75人の世界の偉人について調べ、その成果 を一冊の本にまとめて出版しまし た。世界の賢者や聖者についてまとめたこのような本ある いは人名録は、今までありませんでした。すべての道がプッタパルティに通 じるということ、そして私たちの親愛なる主、サティア サイのみがすべての国の文化や伝統、そして文明を保護し育まれているということを示すこと、それが今日のグローバル化の時代における、私たちの主の神聖なる使命です。

 最後に、バガヴァンが日夜働いていらっしゃるように、 私たち帰依者も皆団結して、精力的に努力しなければなりません。そしてそれにより神の使命のもとで私たちはスワミと一つとなり、21世紀を黄金時代、または仏教ルネッサンスの世紀、愛の世紀、サティア サイの世紀にしなければなりません。

 どうか、我らが主サティア サイが、全世界に祝福と恩寵を注がれ、それに値する人々に聖なる涅槃を授けてくださいますようにとお祈りいたします。

 このブッダ プールニマの吉祥の日に、主よ、私たちはあなたに祈ります。どうぞいつまでもその蓮華の御足のもとに私たちが安らえますように。どうぞずっとあなたに愛され、祝福を受けられる道を示していただけますように。おお、主よ、私たちは祈ります。どうか私たちが、あなたを喜ばせるためだけに生きられますように。私たちの想いと言葉と行動が、いつもサイの愛と、サイの意識に満ちますように。
                              ジェイ サイ ラム
                     世界第三地区統括世話人 比良 竜虎

 

 


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