私達は子供の頃、いろいろな質問で大人達を困らせたものでした。
「戦争はなぜ起こるの?」
「どうして貧しい人がいるの?」
「環境破壊が進むと地球はどうなっちゃうの?」
大人達にとっては遠い世界の出来事でも、
子供達にとっては身近な出来事だったのかもしれません。
子供達はいつも真理を求め、正しいお手本を求めます。
そして大人になっても、心のどこかでその探求は続いています。
古代インドの哲学に「DHARMA(ダルマ)」という考え方があります。
この考え方によれば、
私達の思いと言葉と行動は、宇宙全体の秩序と深く関わっています。
この世界はすべて一つにつながっているのです。
歴史を振り返ると、人類はいつも気高さと愚かさが混沌と渦巻く中で
生きてきました。
それは私達一人一人の混沌の反映かもしれません。
私達は、この混沌とした世界とどう対話していけばいいのでしょうか?
どうすれば世界に調和をもたらすような生き方ができるのでしょうか?
そして、子供達にどんなお手本を示せばいいのでしょうか?
私達は、「ダルマ」について探求するうちに、
たくさんのお手本に出会いました。
それをわかりやすいパネルにして、ご覧いただきたいと思います。
ここでの「ダルマ」の意味は、「人としての正しい生き方」として
ご理解していただければ、よりわかりやすいかと思います。
真理は非常にシンプルで、美しく、見る者をワクワクさせてくれます。
子供の頃のような気持ちで自由に心を遊ばせて、
どうぞこの展示をお楽しみ下さい。
プロローグ -plologue- |
人はなぜ生まれてきたのか?
この世界の創造には、神の意志が働いています。
その中のすべてを動かす、法則のようなものが、ダルマともいえます。
このような神聖な成り立ちの世界の一部として、
私たちはこの世に生を受けたのです。
けれども成長するに従い、私たちは本来の神聖さを忘れ、
物質的な日常生活がすべてだと思ってしまいます。
そうして、欲望の増大は悪い行いを招きます。
良い行いも悪い行いも、ダルマの法則は、その結果を返します。
人生における喜びも苦しみも、まさに、
私たち自身の行いによって生じているのです。
私たちに内在する神聖さを再認識することが、はじめの一歩です。
私たちはこの世に、
さまざまな良い体験をするために生まれてきました。
人としてのダルマを実践するために生まれてきました。
真理に到達するために生まれてきました。
ではこれから、人としてのダルマの実践、その意識の範囲を、
個人から家庭へ、家庭から社会へ、社会から国家へ、国家から世界へと、
階段を昇るように拡大して、考えてゆくことにしましょう。