帰依者とアイザック タィグレット氏による質疑応答

       
2009年ダラスにて


<帰依者による質問1>
 これまであなたはビジネスやあらゆる面において、大きな成功を収めてきました。あなたはお金持ちで、とても若く、あらゆるものをお持ちです。ではこれらの物質的な誘惑にも関わらず、あなたをこの霊的な信仰を持つ人々の集まりに導き、ここに留め続けた本当の要因は何だったのでしょうか?


<タィグレット氏による回答1>
 オー! その答えは簡単です。サイ ババはあなたが成功しないことを望んでいるわけではありません。ババはあなたが窮乏生活を送って不幸せになることをお望みではありません。ババがお望みなのは、あなたが世俗の中にいながら、世俗に執着しないことです。肯定的な波動を放ってください。仕事の中に、ヴェーダの五大価値を見出してください。私は見つけました。これらの価値を、自分の行為の一つひとつに適用しました。悪い波動を持った人が仕事に来れば、出て行ってもらいました。たとえその人が天才だったとしても、どんなに大金を儲けさせてくれる人であったとしても、です。正しいことでない場合は、どんなことでもヴェーダの五大価値というリトマス試験にかけてみるのです。その試験に合格しなければ、却下しましょう。スワミはあなたが成功することをお望みです。スワミはあなたが幸せになることをお望みです。耐乏生活やおびえる日々を送ってほしくないのです。スワミが最もうんざりされるのは、帰依者たちが皆、スワミを恐れていることです。 神の化身の人生とは、なんと孤独なのでしょう!

 とても興味深い話をしましょう。サイ ババは数か月前に、「娘に会いに行きなさい」と、私にテキサスのここ、ダラスに行くように指示されました。私は言いました。
 「スワミ、私は行きたくありません。あなたはここで、心の平安という素晴らしいものを与えてくださいました。私は心の平安を失いたくありません。西洋に帰ると私は心の平安を失います。そこには安心できるものなど何もないのですから。 このマーヤー(心の妄想)マシーン(からくり)以外は何もありません。私は弱い、弱い人間ですから。偉大な魂の持ち主ですが、弱い人間なのです。これ以上、俗世界の一部にはなりたくないのです。私はここに、あなたと共にいます。残りの人生をここで過ごしなさいと私に言ってください。あなたがこの世を去られるまで、私は死ぬ瞬間までここにいます」
 スワミは「行くのだ!」とおっしゃいました。「わかりました」と答えてその場を去ったものの、私は落ち込み、苦しみました。これまでずっとスワミの帰依者でいることで得られていた心の平安を失ってしまいました。そのとき突然、私は、所有するに値するたった一つの価値ある財産は、心の平安であることを発見しました。スワミがプッタパルティで、私にそれを与えくださったのです。その心の平安を1年半維持していましたが、それがなくなってしまいました。私は落ち込んで、泣き、困惑しました。信じられないほどの素晴らしい贈りものを、私が生涯探し求めてきた唯一のものを、失ったことが信じられませんでした。

 私はプッタパルティに戻り、自分の部屋に入り、ダルシャンに行くことを拒み、泣き続け、落ち込んでいました。するとスワミが、
 「タィグレットはどこだ? 」とおっしゃったのです。
 「タィグレットにダルシャンに来るように言いなさい」
 そして、私は仕方なく、しぶしぶ行きました。私は一晩中祈っていました。一晩中マントラを唱えていました。スワミに言いました。
 「どうか私に心の平安を返してください。ほんのちょっとでいいので、どうか私を認めて(承認の印を)ください。私が見上げるとき、あなたに私を見ていただきたいのです。そして、私を認めてくださるその瞬間に、心の平安を戻してください」
 私は椅子に座って待ちました。スワミがどこにでもいらっしゃるのはわかっています。そこに座って、スワミを見上げました。スワミは毎日なさっているように、私から数フィートのところを通り過ぎて行かれました。スワミが私をごらんになることはありませんでしたが、このように言われました。
 「承認(acknowledgement)ではなく、英知(knowledge)を求めなさい」
 これが、すべての答えです。

 私はそこに座って、一日中、皆が二元性を実践している様子を眺めていました。神はあちら側にいて、自分はここにいる。馬鹿げたことです。皆さんは全員、神なのです。英知を求めなさい。認められようとしてはなりません。スワミは人間の姿をとって降臨せずにいられなかったのです。スワミは小さな車椅子に乗って巡回せずにいられないのです。スワミご自身のやり方で、色々な不思議なことをせずにはいられないのです。スワミはクリシュナ神です。スワミは大変なトラブルメーカーで、とても楽しい方です。信じ難いほど素晴らしく、面白い方です。とても美しく、皆を愛していらっしゃいます。そして、スワミはあなたの内側にいらっしゃいます。外側にいらっしゃるのではありません。スワミは内在なさっています。(内在なさっているスワミからの)英知を求めましょう。(外側の肉体としてのスワミから)認められることを求めてはなりません。

 私が初めてプッタパルティに来たときのことです。スワミは、私が14歳の頃から何年もの間(内側で)私に呼びかけていらっしゃいました。22歳で始めたハード ロック カフェの仕事の最初から最後まで、ずっと私を導いてくださいました。私は仕事に関する訓練を受けていませんでしたが、スワミがヴェーダの五大価値を教え続けてくださいました。スワミは、私が抱えていたあらゆる問題に答えてくださいました。
 「これをしなさい」「これをしなさい」「これをしなさい」「これをしなさい」それで、何者かが私に語りかけているのがわかったのです。そして、私は遂に24歳のときにインドに行き、9カ月間滞在しました。すべてのヨーギ(修行者)やアシュラム(修行場)を訪ねて、その声の主が見つかりそうなあらゆる場所に行きました。
 そして遂に、私はサイ ババに出会ったのです。その日、私は麻薬を吸った後で、後方の席に座っていました。24歳のときです。私は黒い服を着て、サングラスをかけていました。髪はここまで長く、体重は今よりも70ポンド(約32kg)も少なかったのです。ブリンダーヴァン(ホワイトフィールドにあるババのアシュラム)で、私は壁を背にしてただ座っていました。そこには小さな木があり、その下には青色の肌のお方(クリシュナ)の像があり、100人ほどが集まっていました。このクリシュナ神ですが、当時の私はクリシュナが何者なのかも知りませんでした。そこに、この美しい御姿(サティヤ サイ ババ)が登場されたのです。私には、このお方がそうだとわかりました。このお方が、長い間探し求めてきた方だとういうことがわかったのです。ババは私のところに真っ直ぐに来られて、長年、私の内で話しかけてきたのはご自身であることをお告げになりました。
 「あなたのことを、長い間、待っていました。やっと来たのですね。私たちは新しい友人ではありません。昔からの、古い、古い友人なのです。ここで待っていなさい。私たちには、多くのなすべきことがあります」

 そのとき以来、(身体をまとった)スワミは15年間、私に話をなさいませんでした。私は毎月毎月、毎年毎年、急成長していた私のビジネスの時間を割けるときはいつでもスワミのもとに来て、そこで土の上に座っていました。そこには白い建物が一つだけあり、孔雀の羽根などが飾られていました。スワミは私の近くに来られても、いつもそのまま通り過ぎてしまわれました。3回、4回と旅を重ねるうちに、私のエゴや、他の何もかもが完全に打ち砕かれました。その御姿こそが、14歳のときからずっと(内側で)話しかけてくださった師であり、生涯探し求めてきた師が、肉体次元では私に何も話しかけず、何の関わりも持たないおつもりであることがわかりました。しかし、スワミは私の主でした。スワミこそが、そのお方だったのです。そのうちに、私はスワミが恩恵を授けてくださったことを悟りました。なぜなら、私は無相の神を発見しなければならなかったからです。スワミは、スワミの御姿が私の霊的な進化の邪魔にならないようになさっていたのです。ですから、この15年間に私は本を読み、その一語一語を読んで、化け物のように霊的成長を遂げました。無相の神、すべての人の無相の神としての本質、スワミの無相の神としての本性、無相の神とはいったい何なのかを理解したのです。スワミは恩寵を授けてくださいました。スワミはマーヤー(幻想)の力やスワミの御姿が、私の進化の邪魔にならないようになさったのです。

 皆さんは、とても幸運です。皆さん全員です。プッタパルティにいる必要はありません。ほとんどの人にとって、御姿がそこにあるというのは妨げになります。非常に混乱します。何が起きているのか、皆さんにはわからないでしょう。皆さんは、自分自身のハートの内側で探究してきました。師が、その椅子に座っているだけではないことをご存知です。神は、あなたの内にいらっしゃいます。皆さんは無相の神と関係を築くようになります。プッタパルティにいる人々は、姿を持った(有相の)神に対応しなければなりません。信じられないほどのマーヤー(幻想)の力です。ですから、皆さんはここテキサス州のダラスで、皆さん方全員の内にある無相の神の本質を探究し、発見するチャンスがあるのです。ここには、(肉体を持った)「師」という気をそらせるものがありません。プッタパルティに行くと、そこを訪れると、完全に状況が異なり、混乱が生じ、困難になります。
 「ああ、スワミが私を見てくださらない・・・」
 「スワミが手紙を受け取ってくださらない・・・」
 「ああ、後ろの列になってしまった・・・」
 皆さんは日々、何度も何度も二元性に陥ります。さらに、スワミは皆さんの内にあるものすべてを外に引き出されます。そして、たった一つのものを与えてくださいます。皆さんが人間として、超意識に関してつながりを感じることができるものを与えてくださるのです。スワミはあなたを変容させてくださいます。すべての人が、それぞれに個人的な変容の物語を体験します。これが唯一、最も大切なことです。これがすべてです。皆さんが知る必要があるのはそれだけなのです。 そしてスワミは、皆さんに肯定的に考えることをお望みなのです。他に何かご質問はありますか? はい、どうぞ。


<質問2>
 来て下さったことに大変感謝しています。あなたはいつバプテストの教団(キリスト教プロテスタントの一派)に、このことを伝えるおつもりですか?


<回答2>
 なるほど、それは興味深いことですね。組織化された宗教団体はとても奇妙なものです。委員会によってすべてが決定されます。説明責任などありません。すべてが駆け引きであり、政治と化しています。彼らが信じているのは神に礼拝する方法ですが、それは個人的な行為です。グループがあるのはとてもよいことです。私はバプテスト派を信じています。実は、私はこの古いバプテスト派の極右派の家に生まれました。皆さんは想像できないと思いますが、私の生家はテネシー州のジャクソンにあり、私で五代目になります。あるとき、牧師が立ち上がってこう言いました。
 「世界中のすべてのヒンズー教徒は、キリストを信仰しないために、永遠に地獄の業火に焼かれるであろう。すべてのイスラム教徒は、キリストを信仰しないために、永遠に地獄の業火に焼かれるであろう。すべてのユダヤ教徒も・・・すべてのカトリック教徒さえも、永遠に焼かれるであろう」そして、私の小さな心(良心)が何か言いました。「神の子羊、キリストはそのようなことは言わなかった」と。神の子羊、キリストはプレーマ サイのエネルギーです。つまり、プレーマ サイは、キリスト(救い主)のエネルギーをもたらすのです。素晴らしいことです。しかし、私は教会を去りました。その日にです。私は霊的な少年でしたが、こう言いました。「あり得ない!」 そして立ち去ったのです。ある日のことですが、サイババが私をお呼びになり、
 「あなたは家族に対してとても腹を立てていますね」とおっしゃいました。私は言いました。
 「はい。あなたを信仰しているために、家族は30年もの間、私と口をきいてくれません。私があなたを信仰し、普遍的な神を信じているからです」
 ババはおっしゃいました。
「あなたは間違っています。彼らはあなたが求めている神と同じ神を求めているのです」 これが答えです。


<質問3>
 今日のお話は、最も素晴らしい霊性の旅についてのお話であり、あなたが奉仕を通じてスワミの組織に参加するようになったお話でした。あなたは非常に目立たない形でそれを始められました。奉仕の道を求めている人々にとって、プロジェクトのようなものを探している人々にとって、とても興味深い話でした。もう少し指針を与えていただけないでしょうか? 指針をいただければ、世界で最もパワフルな国家であるアメリカ合衆国にとって、非常にパワフルなことになるでしょう。主のために一つのプロジェクトを行おうとしても、私たちは一致団結することができません。どうすればよいのでしょうか? どのようにすればよいのでしょうか? どうすれば、私たちは一致団結して、神の御前に行ってお伝えできるのでしょうか? 「私たちが人類のためにしたいことはこれです。愛する神様、私たちはあなたのためにこれをしようと思います」と。どうすれば、それができるのでしょうか?


<回答3>
 ハハハハ、友よ、それは誤りです。それは個人的な旅なのです。皆さん一人ひとりが、独自のカルマを持っています。非常に興味深いことですが、二つの同心円が同時に生じているのです。あなたがこの惑星に誕生すると、カルマを解消している円と、その逆方向に動くもう一つの同心円を持つようになります。それはカルマを生み出している円です。ですから、私たち全員が同じ場所に向かう旅、アートマからアートマへの旅をしていますが、それは個人的な旅なのです。すべてが高い次元に引き上げられてこうなる、ああなる、と考えることは馬鹿げたことです。そのようなことは決して起こりません。起こるようには運命づけられていないのです。それは愚かなことです。それは、すべてが逆戻りして吸収されて、黄金時代が終わることを意味します。でも、それは多くの人が選ぶ道です。心と身体を越えられないからです。一つ素晴らしいことがあります。それは、「神は自由意志には干渉しない」ということです。神は自由意志に干渉しないのです。神はあなたに何も求めません。神があなたに何かをさせるようなことはありません。自分自身のことをサイ ババに強要する人々を見ているうちに、何かの行事の時ですが、スワミに飛びついて、
 「私のサイ センターは、どうすればよいのでしょうか? 」「妻をどうすればよいのでしょう?・・・妻が病気なのです」色んな政治家たちや、有名なクリケット選手たちがスワミに近付いて・・・。私は激怒し、席を蹴って飛び出しました。飛び出すとそこに、一人の素晴らしい英語教師がいました。多くの人が彼のことを知っています。彼は学校で教師をしています。その教師は言いました。
 「どうしたんだ? タィグレット君、どうかしたのかい? 」
 「ここの帰依者と思われている人々は、『これをお与えください、あれをお与えください、あれをください、私のためにこれをしてください、これをしてください、与えてください、ください、ください、ください』ばかりです。彼らが問うべきことは、ただ一つ、『サイ ババのために、私は何をするべきか? 』しかないのです」
 すると、その教師は言いました。
 「君は間違っている」
 「それはどういう意味ですか? 」と尋ねると、彼は言いました。
 「すべての人が、神に向かって、その人独自の旅路を歩んでいる。あの人たちも全員、神に近づいているのです」

 彼らが神に向かって進んでいるという事実について、サイは何度も繰り返しお話しになっています。『あなたが私に一歩近づけば、私はあなたに百歩近づきましょう』
 彼らはこれが欲しい、あれが欲しいと言っていますが、実際、彼らは神に近づいているのです。彼らがスワミに近づくとき、お願いをするとき、懇願するとき、そして内なる神に本当に近づくとき、初めてその答えが実際に返ってくるのです。なぜなら、神は個人の自由意志には干渉されないからです。ですから、善人がすべて天に上げられるなどということではありません。そんな風にことが進むのではありません。しかし、黄金時代はすぐそこまで来ています。スワミは連続した二つの御講話の中で、「この惑星全体に平安な心の持ち主は一人もいません」と繰り返されました。私たちはすべての大気を汚染し、すべての水を汚染し、自分たちが食べるすべての食べ物を汚染し、あらゆるものを汚染しています。

 何年も前に、誰かがスワミに尋ねたことがあります。
 「スワミ、ラーマやクリシュナのように、この世の悪人たちをすべて殺してしまわれたらどうですか?」
 「それなら、私はすべての人を殺さねばなりません」
 これがカリユガの時代です。黄金時代の到来についてお話ししたとき、誰かが私のところに来て言いました。
 「前にも言ったことですが・・・スワミが空中で手をくるくる回したら、すべての人が、サイババが神だとわかるようになるということですよね? 」 私は言いました。
 「馬鹿なことを言わないでください。すべての人は、神が存在することを知るようになるでしょう。あなたはイスラム教徒の兄弟たちが悪人だと思うのですか? キリスト教徒の兄弟たちが悪いと考えているのですか? 今夜、このような集会が全世界で開かれていて、探求し、調査し、疑問の答えを見つけようとしている人々が間違っていると思っているのですか? 彼らは皆、神に近づいているのです。あなたが神に近づくと、神はそこにあなたのために、いてくださるでしょう」
 『あなたが私に一歩近づけば、私はあなたに百歩近づきましょう』
 『あなたが私のために一滴の涙を流すのであれば、私はあなたのために百滴の涙を流しましょう』
 これが神と関わる方法です。それは草が成長するようなものです。複雑なことではありません。何か他にご質問はありませんか? どうぞ、奥さん。


<質問4>
 肯定的(前向き)になりなさいと言われましたが、もう少し詳しく話していただけませんか? 肯定的なエネルギーが表れるために、具体的に何をすればよいのか教えてください。それは個人で行うことでしょうか? それともグループで行うことでしょうか?


<回答4>
 私たちは聖なる神の存在です。すべてはプラーナ(生気)のエネルギーで創られています。すべては聖なる神のエネルギーで創られているのです。それはあなたと私の間にある空間の中にもあります。大気の中にもあります。それは原子の中にある電子です。新しく始められたルッドラムでスワミがなさっていることは、祈りの波動によって、神が無生物にも存在することを皆に教えることです。しかし、人はすべての生き物の中でも最もパワフルで崇高な存在です。なぜなら、私たちには真の神が内在しているからです。スワミはおっしゃいました。「私はあなた方を神の似姿に創造しました」と。この身体は光の身体なのです。私たちは、力のある、パワフルな存在です。私たちができる最もパワフルなこととは、思考することです。エネルギー保存の法則では、エネルギーは決してなくならないと言われています。これは(カントの)形而上学的原理でもあり、エネルギーは決して消滅しません。では、そのエネルギーはどこに行くのでしょうか? 私たち皆、脳が電流によって作動することを科学でも知っています。脳はエネルギーによって作動します。しかし、それはただのエネルギーではありません。プラーナ(生気)のエネルギーです。それは皆さんが考えているよりもはるかにパワフルなエネルギーです。考えたり歌ったりするだけで、皆さんは世界中のあらゆるところに波動を送ることができます。次元を超えて、すでにこの世を去った両親にもあなたの想念を送ることができます。ですから、世(時)の始まりから存在してきたあらゆる肯定的な想いのすべてを想像してみてください。すべての肯定的な想い、慈愛、慈悲、愛、神への礼拝・・・。

 サイ ババが最初に私に話してくださったことの一つは、「神が人を創造し、人が神を創作(発明)した」ということでした。わかりますか?「神が人を創造し、人が神を創作(発明)した」これはどういう意味でしょうか? よくわかりませんね。超意識、すなわち、神であるサイババの意識体は、いつでも神の身体である全宇宙のどの部分にでも訪れることができます。神の身体とは全宇宙のことです。この宇宙は人間が理解できるように創造されたわけではありません。このことは冒頭でお話ししましたが・・・太古のリシ(聖仙)たちは、人間には神の宇宙普遍相のビジョンや知識が理解できないことを知っていました。それゆえ時の始めから、私たちはあらゆる文化において神を創造してきたのです。多神教の時代、太陽を崇め、月を崇め、星々を崇め、雨を崇め、大地を崇め、岩を崇め、山々を崇め、樹木を崇め、大自然を崇め、自然霊(精霊)を崇めてきました。自然霊は非常にパワフルで、今日でも存在しています。そして、突如として文明が形成されました。ギリシャ、ローマ、インダスの文明です。私たちが神々を創りました。シヴァ神を、ラクシュミー女神を、さまざまな神々を、ギリシャからローマ、アステカ(メキシコ中央部の古代王国)、トルテカ(メキシコの古代帝国)に至るまで、さまざまな文明が神々を創造したのです。神々を崇めることで、私たちはこの肯定的なエネルギーを創造してきたのです。自分たちで神々を創造したのです。

 神々は、神聖なプラーナ エネルギーによって創造されています。 それらはアーキタイプ(集合的無意識を作り上げている心像原型)なのです。私はその次元に行ったことがあり・・・ スワミは私を円形演技場に連れていかれました。そこにはあらゆる文化の 何千もの神々が集っていたのです。おとぎ話のように聞こえるとは思いますが、でもあなたが質問されたので、この話をしています。神々がそこにいました。神々は人間のエネルギー、 慈愛、愛、慈悲、礼拝によって創られていました。人が神々を自分たちのイメージの中で創造したのです。人が神々を創造しました。神々は生き生きと存在しています。神々は人間のプラーナ(生気)という神聖エネルギーによって創造されました。神々はそれをエネルギー源にしています。イエスに祈ろうとも、クリシュナに祈ろうとも、自分が望むどの神に祈ろうとも、あなたのプラーナ エネルギーから出る波動は、真っ直ぐ神々に届き、その次元から細いエネルギーの糸が伸びてきます。神々はあなたの傍らに、あなたを勇気づけ、助けるために寄り添います。なぜなら、神々は皆、好意的な存在だからです。 神々は皆、そこにいます。神々は存在しているのです。神々はアーキタイプ(心像原型)です。神々の背後には超意識がありますが、その次元を見ることはできません。その次元は人間が見るためにあるわけではないからです。

 スワミはその場所に何度も私を連れて行かれました。私の話を誰かに信じてもらうことは期待していませんが、このことは理解してください。時の始めからあった否定的なエネルギーはどうでしょう? 憎しみ、色欲、強欲、怒り、ねたみ。このすべては、聖なる存在の内にあるプラーナ(生気)エネルギーから生じました。このエネルギーはどこに行くのでしょうか? エネルギーが消滅することは決してありません。そのような否定的なエネルギーは別の次元に集まり、悪魔という姿になりますが、それは私たち自身の心が、私たち自身の否定的なものによって生み出したものなのです。それは、私たちが肯定的なエネルギーによって神々の心像原型を創り出したのと同じことです。ですから、あなたが怒り、憎しみを生じると、小さな音の波動が生じます。文字通り、その次元にいる悪の存在がそれを聞きつけると、怒れる野獣が細い糸を垂らしてきます。それがあなたに結びついて、出来る限り長くあなたを怒り続けさせるのです。それ(怒れる野獣)は人間のエネルギーからできていて、人間のエネルギーを食い物にしています。私たちがそれをすべて創り出したのです。神はすべての行為者です。私たちは聖なる神の存在です。神は善でもあり、悪でもあります。 それを創造したのは私たちなのです。神が私たちに頼んだわけではありません。私たちが自分でしたことなのです。なぜなら、神は私たちに自由意志をお与えになったからです。

 ですから、黄金時代とはその両者を浄化することです。実際にはこの3つの次元のすべてを浄化することです。(3つの次元に)共生関係が生じます。スワミはこのようにおっしゃいました。「他の次元も浄化されない限り、黄金時代が来るためには、この(物質)次元を浄化しても無意味です」 黄金時代には、もう一度すべてのものが修復されることでしょう。 ですから、サイ アヴァターとの関係は、この次元のことだけではないのです。他の次元も同様に関係しているのです。スワミは両方の次元を浄化するために、ここに降臨されているのです。しかし、サイは83歳で、車椅子を使っていらっしゃるではないですか!? 愚かなことです! スワミは素晴らしい時を過ごしている小さな少年です。スワミは今、これまで以上の仕事をなさっています。スワミは準備なさっているのです。スワミは、バガヴァン シュリ プレーマ サイとして出現されることを楽しみにしていらっしゃいます。プレーマ サイは、3回にわたって現れる神の化身の一人です。シヴァ神とシャクティ女神のエネルギーがサイ ババでした。シヴァ神のエネルギーはシルディ サイ ババでした。今度は、イエスのエネルギーであるシャクティ女神のエネルギーが、新しい時代を統治することになります。それは素晴らしいことです。他に何かご質問はありますか?


<質問5>
 あなたはとても深遠な発言をされました。霊性は個人的なもので、個人的な旅であると・・・。私はこの言葉の、真の意味を把握しようとしているのですが、ご存知のように、 スワミはさまざまな部門のあるサイ オーガニゼーションを設立されました。そこには、バルヴィカスやセヴァ(奉仕)プログラム、恵みの水プロジェクト、病院などがあります。私たちはこの両者をどのように関連づければよいのでしょうか? オーガニゼーションの真の目的とは何でしょうか? すべてが個人的なことなら、オーガニゼーションは必要ないのではありませんか?


<回答5>
 それは素晴らしい質問です。もう一度申し上げますが、ラーマに仕えた者は少数でした。仏陀に仕えた者も少数でした。キリストに仕えた者も少数でした。彼らがこの地上に降臨したのは、何百万人、何億人もの信者を持つためではなかったのです。オーガニゼーションや病院ですが、現在のアヴァターはそれらを必要となさっています。今はカリユガの時代が終わる時だからです。これは新しい時代の始まりなのです。スワミには必要なのです。 あなたが神であるならば、本当にそのことを信じているならば、 二元性という愚かさに陥らない限り、あなたのエネルギー、思考は非常にパワフルになり、そのエネルギーはスワミの役に立つのです。それが、スワミがこれらのオーガニゼーションをお創りになった理由です。奉仕をしたい。兄弟たちを助けたい。バルヴィカス プログラムの活動をしたい。バジャンを歌いたい。肯定的なことがしたいと思うことは、実に自然なことです。 しかし、大局的見地からすると、神はただ単に皆さんに肯定的に物事を考えてほしいだけなのです。神は皆さんの肯定的なエネルギーを必要となさっています。なぜなら、皆さんは神だからです。そして、皆さんのエネルギーは、さきほど奇妙な説明をしてしまいましたが・・・あのような話をしたこと自体、お詫びをしたいくらいです。皆さんのエネルギーは非常に強力です。そのエネルギーこそ、実はこの世で最も偉大な神の恩寵なのです。皆さん方全員が、まもなくすべてを知るための旅をすることでしょう。
 今は一つの時代の終わりです。カリユガの時代が終わる時です。新しい時代はすぐそこまで来ています。スワミはすでにご講話の中で、「25年以内に新しい文明が興るでしょう」とおっしゃっています。スワミはかつてないほど皆さんを必要となさっています。スワミがあなたに望んでいらっしゃるのは、たった一つのことだけです。どんな組織であろうと、皆さんが何をしていようと、何であろうと、肯定的に考えてください。外に行って、隣人を助け、バジャンを歌ってください。病院のセヴァをして、外に行って貧しい人を助けてください。皆さんの肯定的なエネルギーを使って、肯定的なことを行ってください。「私はそれが必要だ」とスワミはおっしゃっています。スワミが私たち全員に望んでいらっしゃるのは、それなのです。私が皆さんに伝えなければならないのは、そのことです。皆さんとお話しできて楽しかったです。おそらく長く話をし過ぎたようです。ここにいることができて、わくわくしました。それから・・・私のサイの弟がここにおります。スコット、彼と私は一緒に5ヶ月間、非常に興味深い仕事をしてきました。君は何か質問はありますか?


<質問6>
 質問があります。スワミの御姿が年老いていかれるのを受け入れて、スワミはおそらく、思ったよりも早く私たちを置いて行かれることでしょう。さきほどあなたは、暗黒の期間がやって来るとおっしゃいました。私たちにとって、何かしがみつくものが本当に必要な時代になります。スワミが身体を去られたとき、私たちは何に意識を合わせるべきなのでしょうか?


<回答6>
 とてもよい質問です。スワミは去ろうとしていらっしゃいます。スワミはこれまで、あるべきとおりのお姿で過ごされました。スワミはとても若い頃に、ご自分の全人生について公表され、様々な人生の段階で何をなさるのかをお告げになりました。そして今、スワミはそのお仕事から退こうとされています。スワミがなさったこと、なさらなかったこと、あらゆることについて、たくさんの噂が流れました。実際、それらはすべて、スワミのコントロール下にあったことを私は知っています。スワミは何年も前に、そのことについて私にお話しになりました。スワミはおっしゃいました。
 「何千人、何万人という帰依者たちが去っていくでしょう。彼らは、帰依者とそうでない人の境界線にいます。彼らは真の帰依者ではありません。パートタイムの帰依者です。そのような人々は、グル(導師)を持つというインドの伝統によってスワミについていますが、興味本位でグルを慕うのです。彼らは、奇跡や、ダイヤモンドや、私が物質化するものに興味があってスワミについているのです。彼らは真の帰依者ではありません。私は彼らを追い払うつもりです」
 そしてスワミはそれを実行なさいました。ですから、様々なたわごとや噂話については心配しないでください。それらはすべて、スワミご自身がなさっていることですから。

 スワミは、ご自身がなさっていることを正確にご存知でした。スワミは、ふるい落とされずに残る、本当に肯定的なエネルギーを持つ真の帰依者が欲しかったのです。スワミはもうインタビューをお与えになりません。ダルシャンもお与えになりません。スワミはバジャンのときだけ出て来られて、途中で退席されるようになっています。側近にも話をされません。病院や大学で働いたり、スワミの傍らでお世話をしたりすることも、 どんな些細なことでも、毎回スワミの許可を受けなければ行うことができませんでした。私はあの病院(シュリ・サティヤ・サイ高度専門病院)を建てました。スワミはどんなタイルを使うかだけでなく、タイルの隙間を埋めるセメントの色まで指示されました。今、スワミはそのようなことは何もおっしゃいません。自分で答えを出さなければなりません。皆はベランダに座って、「スワミ、これはどうすればいいですか? 」と尋ねます。スワミは二言三言つぶやかれて、行ってしまわれます。スワミは私たちを愛していらっしゃるので、私たちを傷つけたくないのです。スワミは逝ってしまわれます。スワミはとてもセンチメンタル(感傷的)になっていらっしゃいます。スワミはいつも涙を流されます。私は何度もスワミと一緒に泣きました。スワミはとても繊細です。スワミはご自身が逝ってしまわれることをご存知です。スワミはとてもセンチメンタル(感傷的)になっていらっしゃいます。

 皆さんは、スワミが神人でいらっしゃることを忘れてはなりません。スワミにはセンチメンタル(感傷的)になるすべての権利があるのです。スワミは私たちを深く愛する権利をお持ちです。信じてください。人間のハートをお持ちであるスワミの本心においては、人生の舞台からゆっくりと退場するという御自分の仕事を成し遂げることは、スワミにとって、非常に困難なことなのです。スワミは逝去されます。身体のみが亡くなります。皆さんは、準備はできていますか? あなたはどうしますか? 手首を切ってスワミの後を追いますか? 皆さんはどうしますか? スワミはいなくなってしまうのでしょうか? 皆さん自身のプレーマ(愛)のエネルギーはなくなりますか? 神への信仰も、なにもかもなくなりますか? スワミは私たちを愛していらっしゃいます。スワミは舞台から退場されます。スワミは、歴史上、最も偉大なことが起こるための準備をなさっているのです。これは恩寵です。今まさに、皆さん全員が唯一のことをするべきときなのです。肯定的にものを考えて、一つのことをスワミに問うことです。

 「スワミ、あなたのために、私は何ができるでしょうか? 」


サイ ラム




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