青 年 部
第2回 青年部全国合同サーダナキャンプ
1999年8月27〜29日、東京で第2回青年部全国合同サーダナキャンプが行われました。セントラルユースコーディネーター Bro.ジャガディーサンからは『リーダーシップ』や『結婚』について、全国奉仕部統括世話人からは『禅と光明瞑想と奉仕』について、Bro.牧野からは『スタディーサークル』についてそれぞれ『実践』の重要性を強調したお話がありました。『奉仕』のワークショップでは、実際にアイマスクや車椅子を使って、目の見えない方や車椅子に乗っている方を誘導、介助する方法を学びました。『結婚』のワークショップでは夫婦間に生じたいさかいを収めるロールプレイを行いました。ナラヤナ セヴァ(貧しい人々に食物を施す奉仕)と公園のごみ拾いと演劇ワークショップの3つに分かれた野外プログラムも行われました。
『結婚について』
セントラル ユース コーディネーター
Bro.ジャガディーサン
(8月29日の講演より)
7年前に私はアフリカのタンザニアに単身赴任しました。そのとき私は今までの家庭生活についてさまざまなことを振り返り、『夫の手引き』という小冊子を書きました。その後『妻の手引き』も出版しました。これらが日本語に訳されていることを知り、私はうれしく思います。(注 現在は絶版)
皆さんの中で結婚している人は何人いますか? 恋愛結婚の人はいますか? 見合い結婚の人はいますか?
恋愛結婚の場合、どのようなことが起こるでしょうか? 男性が女性に出会い、互いに愛を告白し、結婚します。しかし何年か経つと互いの愛情は減っていき、離婚することもあります。現在最も離婚率が高い国は、恋愛結婚の割合が高い国です。何故でしょうか?
恋愛中にはデートをし、その間互いに最高の自分を演じようとします。けれども結婚して実際の生活が始まると、演技ではない本性が現れてきます。
出会ったときは互いに理想のイメージを相手に抱くものです。男性は女性に朝早くからきれいに装っている妻であって欲しいと思うものです。映画の中では、朝起きたばかりの奥さんもきれいですが、現実の生活ではそういうわけにはいきませんね。起きたらまず顔を洗ってお化粧をして髪を整えなければいけません。
そんなふうにして、実際の結婚生活が始まると、互いに適応していかざるを得なくなるのです。ババは「結婚した男女がお互いに自らを適応させていくとき、あまりにも早急に適応させようとしてしまうと永続きしません。適応する前にお互いを『理解』することが大切です」とおっしゃいます。互いに理解すればイメージは去っていきます。自分の幸せのためにどうして欲しいかを考えるのではなく、家族の幸せのために何ができるかを考えてください。何故相手がそうするのかを『理解』してから『適応』してください。結婚が天国になるか地獄になるかは、結婚した2人にかかっているのです。
「結婚相手はすでに運命で決まっているのでしょうか?」という質問をされることがあります。人生の中で誕生と死と結婚の3つはすでに決まっている、と言います。人生にはさまざまな出会いがあります。しかしどのようにして、どの人と結婚するかはあなた自身が選び、決めるものだと思います。
私の妻は1997年に亡くなりました。そのときババ様はこうおっしゃいました。
「生まれるときと死ぬときはすでに決まっています。いかなる薬、いかなる医療、いかなる医師をもってしてもそれを変えることはできません」
しかし、どのように死ぬかはその人にかかっています。病気になって投薬や治療の甲斐なく死んでいく人もいますし、まったく健康であったのにある日突然倒れる人もいます。不慮の事故で亡くなる人もいますし、同じような事故でも生き残る人もいます。死は決まっているのです。
親愛なる皆さん、どうぞ信じてください。人生において最も大切なもの、それは妻であり夫です。失って初めてそれがどれほど大切であったのかが分かるのです。私たちは空気を当たり前に思って汚してしまいます。水を当たり前に思って無駄にします。子供は親が永遠に生きるものだと思っています。いいえ、親も妻も夫もいつかは死ぬのです。皆さん、夫や妻や子供や両親など、いつも一緒にいる人を大切にしてください。
動物は打たれると吠えるといった『反応』しかできませんが、人は自分に向けられた行動、言葉に対して『反応』と『対応』ができます。思慮を伴なわない行動が『反応』です。よく考えた上での行動は『対応』です。低い心からの行為は『反応』で、高い心からの行為は『対応』です。家庭内のけんかはほとんどが反応の結果です。ですから何か言われたら3秒考えてから答えるようにしましょう。
もし夫婦のどちらかが高い心で対応するなら、決して問題は起きません。もしけんかになったとしても必ずその日のうちに仲直りしましょう。相手が100パーセント悪いときでも高い心で対応するようにしてください。
人生において最も貴重なものは夫であり、妻です。失った後でそれに気付くのです。ですから皆さんが結婚したら、本当に相手を大切にしてください。
●体験談
青年部全国合同サーダナキャンプに参加して
青年部全国合同サーダナキャンプに参加し、たくさんのことを学び、多くの喜びを味わうことができました。調和に満ちた3日間の中で、サットサング(善き仲間との交わり)が効果的な霊性修行であることを実感することができました。
僕がこのキャンプで得た最大の収穫は、自分の至らなさについて痛いほど感じることができたということです。僕がババからいただいている恩寵は、真理の教え、正しい生き方、自信や勇気の他に、サイの帰依者の皆さんの暖かい愛情や、家族や社会から受けている恩恵まで、限りないものです。それでいながら自分のエゴに負けて周りに迷惑をかけていた自分に気付きました。僕にはもっともっとたくさんの修行が必要です。特にエゴを落とすためにもっとセヴァをしなければと思いました。バガヴァンの神聖な使命を手伝うという稀有の機会を実りあるものとするために、もっと自分の人格を磨きたいと思いました。
今回のキャンプではBro.ジャガディーサンをはじめ多くの先輩方から、スワミの御教えを実践するためのお話をたくさん聞くことができました。中でも「ババ様の許可なしには足を一歩進ませることさえしない」という言葉には感動しました。参加者全員の限りない愛を感じ、閉会式のバジャンでは、あふれる涙を押さえることができませんでした。
世話人の皆さんの多大な献身により、今回のキャンプに参加することができたことを、感謝いたします。
東京センター青年部
●一人からできる青年部
今回のテーマ『正見』(しょうけん)
「ブッダは、善い生活を送ることによって解脱がもたらされると明言しました。これは、善い生活の神聖なる完成を意味します」(慈悲、42頁)
「善い生活を送るために第一に必要とされているのが清らかなものの見方(正見)です」(慈悲、29頁)
スワミは人が目にするものを『ハートに蒔かれた種』に例えて、「善い光景は善い思いを呼び起こします。神聖な光景がハートに植え付けられたなら、ハートの中に悪い思いや感情が育つ余地はありません」(慈悲、31頁)とおっしゃっています。
11・12月の2ヶ月間に『正見』を心がけることによって、気付いたこと、体験したことなどをサイラムニューズ編集部『一人からできる青年部』係宛にお送りください。
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