世界をもとのレールの上へと引き戻さなければなりません。愛と平安だけがこれを達成できます。あなた方の思い、言葉、そして行為を愛と真理と平安で満たし、奉仕活動に従事しなさい。
私たちは、常に平安と慰めを熱望しています。しかし、それをどこに見い出すのですか? 私たちを取り巻く物質世界の中で見い出すべきものなのですか? 経験は、外界のものから得た平安や幸福は永続しないことを教えてくれます。それはまるで唇気楼の様です。惑わされた動物が、そこへ向かって走って行こうとも、渇きを癒すことは出来ません。平安の本当の源は、各個人の中にあります。真の喜びを与えることが出来るのは、その内なる平安です。聖者ティヤーガラージャは、平安なくしては幸福にはなり得ないと、歌の中で断言しました。どんな喜びや苦痛、賞賛や非難、利益や損失にさらされようとも、全ての出来事において平常心を保つことを達成した場合にのみ、このような平安を得ることが出来ます。人は、悪意や嫉妬や憎しみから引き起こされる非難に影響を受けるべきではありません。このような非難に反応するなら、人の心の平安は打ち砕かれてしまうでしょう。もし、その非難がもっともであれば、自分自身を正すべきです。悪意や嫉妬から来る根拠の無い非難は無視するべきです。私たちは、自分自身の善良な性質に忠実でいて、平静さを保っているべきです。
サーダカ(霊性修行者)全員が守っていく必要があり、得ようと努力するべきものとは、このシャンティ(平安)です。それは、純粋な愛から生まれる香しい花です。それは、良い行いの結果として得られる芳香なのです。この高貴で香しい平安の特質を失ってしまったら、あなたがたは人生の全てを失ったことになります! はるか古(いにしえ)より、この国では、シャンティ(平安)の偉大さを示すために聖者や賢者たちが努力してきました。彼らは非難され、笑い者にされ、馬鹿にされ、言葉で言い尽くせないほどの厳しい試練を受けました。しかし、彼らは決して平安という支えを失うことはありませんでした。あなたがたは、たとえ斧で切られても芳香を放つサンダルウッド(白檀)の木のようであるべきです。線香に火がつけられれば、それはひとりでに燃え尽きます。しかしそれは辺り一面に、その芳香を放ちます。それと同じように、真のサーダカ、真の帰依者はあらゆる状況下で、完全な平安を保つことに気をつけるべきです。辺り一面に幸福を広めるべきです。これこそが第一のサーダナ(霊性修行)です。サーダナを通して平安を得ようと試みなさい。平安は、外の世界からは得られません。私たちの親類、物質的な持ち物あるいは名声は、私たちに平安をもたらしてはくれません。平安とは、あなたがたの内から湧き上がるものであり、外界から集めるものではありません。私たちは平安を欲しますが、平安を与えることとはかけ離れたことをし続けており、不安や心配を生じさせています。些細なことが人の心の平安をかき乱しています。真のサーダカは他の人の言ったことに動じないでいるべきです。
シャンティという言葉は、あらゆる祈り、儀式や供犠の最後に三回唱えられます。この背後にある意味とは何でしようか? 最初のシャンティの意味は「私たちが肉体の平安を得られますように」です。その意味は、肉体は嫉妬、憎しみ、執着や好みという感覚によって興奮するべきではないということです。どんな知らせを受けようとも、それを冷静、沈着に受け止めるべきです。二番目のシャンティは心に関係します。誰かがあなたに対して何か真実でない事を言ったとしても、興奮するべきではありません。あなたはただ、それを何か自分とは関係無いこととして受け流すべきです。怒ったり、苛立ったりすれば、心の平安を失ってしまいます。あなたは自分自身に対して言うべきです。「誰かが真実でないことを、私に言ったからといって、何故、私が心の平安を失わなければならないのだろうか?」自分の真理を貫き、自分自身の本質に忠実であることを決意しなさい。三番目のシャンティは魂の平安に関係します。この平安は、愛を通して実感されなければなりません。世界をもとのレールの上に引き戻さなければなりません。そして愛と平安だけがこれを達成できます。あなたがたの思い、行為、衝動を、愛、真理、そして平安で満たしなさい。私たちを憎む人がいるかもしれません。しかし、彼らをも愛しなさい。サティア サイ オーガニゼーションで活動する人たちは、愛と平安の精神に満たされて、奉仕活動に携わるべきです。利己心や憎しみが存在する場所があってはなりません。どのような困難に遭っても、意気消沈したり、落胆したりするべきではありません。あなたがたは、大胆に、勇敢に、そして熱心に社会への奉仕に従事しなければなりません。これが、サイが皆に求めることです。これがあなたがたの前にある理想です。我慢、忍耐、平安、愛を育みなさい。そしてあなたがたの仕事を続けなさい。これがあなたがたの真のサーダナです。9つのバクティの形には、2つの必要不可欠な要素である、愛と平安があります。偉大なマハーバーラタの英雄、ビーシュマはシャンティバクティの最高の模範です。56日間、彼は忍耐と平安を以ってあらゆる痛みに耐え、魂を神にゆだねる吉兆の瞬間を待ちながら、矢の床に静かに横たわっていたのです。 1985年12月9日の御講話より
(サティア サイ スピークスVol.18)
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